ロシアとベトナム ニントゥアン第一原子力発電所建設の政府間協定を締結
27 Mar 2026
ベトナムのファム・ミン・チン首相がモスクワ公式訪問中の3月23日、同首相とロシアのM. ミシュスチン首相立会いの下、ロシア国営原子力企業ロスアトムのA. リハチョフ総裁とベトナムのチャン・バン・ソン政府官房長官の署名により、ベトナムにおけるニントゥアン第一原子力発電所の建設協力に関する政府間協定が締結された。本協定は発電所建設に必要な法的枠組みを整備し、今後数十年にわたるロシアとベトナムの原子力分野での協力の方向性を定めるもの。
同協定では、原子力発電所建設プロジェクトの実施における条件および主要な協力分野を規定しており、ロシア設計のPWR=VVER-1200×2基を採用した総発電設備容量240万kWeとなる発電所の建設を想定。参照モデルは、ロシアのレニングラード第Ⅱ原子力発電所1・2号機(VVER-1200採用、各2018年、2021年に運転開始)である。
ロスアトムのリハチョフ総裁は、「これは単に原子炉2基を建設するための協定ではない。ベトナムのエネルギー自立を強化し、経済成長の新たな機会を切り開く長期的な産業パートナーシップの礎である」と語った。
ロシアのVVER-1200は国内外で運用されており、ロスアトムの原子力輸出の中核をなしている。ロシアとベトナムは多方面で長年にわたる協力関係を築いており、原子力はその中でも重要な位置づけ。ニントゥアン第一プロジェクトに加え、両国はベトナムにおける原子力科学技術センター(CNST)建設プロジェクトも実施しており、ロシア設計の研究炉を建設する計画である。今年4月には同センターの実現可能性調査(F/S)が完了し、建設契約に関する協議が開始される予定。また、ロシア製燃料を使用するダラット研究炉が順調に稼働し、医療用同位体を供給している。さらにベトナムは、ロシアのウリヤノフスク州ディミトロフグラードにある原子炉科学研究所で建設中の多目的ナトリウム冷却高速中性子研究炉(MBIR, 15万kWth、2027年稼働予定)を基盤とする国際コンソーシアムへの参加にも関心を示している。
加えて、北極海航路を活用した物流、ロスアトム傘下の極東海運会社であるFESCO輸送グループによるコンテナ輸送、積層造形技術(3Dプリンティング)、エネルギー貯蔵システムなど、新たな分野での協力が有望視されている。
ベトナム国会は2024年11月、国内電力需要の拡大を受け、ニントゥアン原子力発電プロジェクト再開の政府提案を承認。原子力発電開発を含む改正電力法も承認された。同プロジェクトではロシアと日本がベトナムに協力して、それぞれ第一および第二原子力発電所(各200万kW)を建設する計画だったが、経済状況を理由に2016年11月に全て白紙となっていた。





