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世界初の商業用原子力電源衛星打ち上げ トリチウム利用の超小型電源を実証

17 Jul 2026

佐藤敦子

トリチウムを利用した超小型電源を搭載した人工衛星「BOHR」(約10センチ四方) © City Labs

医療や産業向けの原子力電源を開発する米企業City Labs77日、トリチウムを利用した超小型電源を搭載する人工衛星「BOHRBetavoltaic Orbital High-Reliability)」を、米宇宙企業SpaceX社のライドシェア(相乗り)打ち上げミッション「Transporter-17」で打ち上げたと発表した。City Labs社によると、民間企業が開発した商業用原子力電源を搭載する衛星としては世界初となる。

今回打ち上げられたBOHRには、同社が開発した「NanoTritium」と呼ばれる超小型電源が搭載されている。トリチウムが自然に放出するベータ線を半導体で直接電気に変換する仕組みとなっている。発電量は小さいものの、装置を小型化しやすく、長期間にわたり安定して電力を供給できることが特徴だ。

衛星はSpaceXのファルコン9ロケットで打ち上げられ、軌道上で電源性能の実証を行う。衛星本体の運用には従来の太陽電池を使用し、NanoTritiumは搭載した実験機器への電力供給に用いられる。

宇宙では太陽光が利用できない場面が少なくないことから、放射性同位体を利用した電源が長年活用されてきた。惑星探査機「ボイジャー」は、プルトニウム238の崩壊熱を電気に変える放射性同位体熱電気転換器(RTG)を搭載し、50年近くにわたり稼働を続けている。BOHRは、こうした宇宙用原子力電源を小型衛星向けに応用し、民間利用への展開を目指す。

またBOHRは、米連邦航空局(FAA)の原子力打ち上げ承認制度を利用した初の商業ミッションとなった。打ち上げに必要な安全審査を経て認可を取得したことも、商業利用に向けた大きな前進となる。

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