ニュークレオ 浮体式原子力発電を開発へ
08 Sep 2026
仏パリに拠点を置く先進炉開発企業のニュークレオ社は8月26日、同社が主導するコンソーシアムの「n-Floating」プロジェクトが、フランス政府系金融機関Bpifranceの「フランス海事部門の脱炭素化支援」の公募事業に採択されたことを明らかにした。同プロジェクトでは、ニュークレオ社が開発を進める複数の20万kWe級の鉛冷却高速炉「LFR-AS-200」を搭載。航行機能を持たない浮体式原子力発電施設の概念設計を行う。
コンソーシアムには、主要な船級協会であるビューローベリタス・マリン&オフショア社や海事・原子力両分野に専門知識を持つフランスのエンジニアリング企業ABMIグループが参加。すでに約100万ユーロ(約1.78億円)の助成金を獲得して作業は開始されており、約18か月間継続する見込みだ。
ニュークレオ社は、浮体式原子力発電の産業化と大規模展開を念頭に、海事・オフショア産業、とりわけ石油・ガス部門で培われた、エネルギー生産、貯蔵、液化、再ガス化の浮体式インフラの設計・建設・運用手法を活用する方針。成熟した海事技術と先進原子力技術を組合わせ、造船所で統合した後に設置場所へ輸送することで、競争力のある低炭素電源の開発をめざしている。
n-Floatingプロジェクトの初期段階では、原子力バージの概念研究に焦点を当て、遠隔地、港湾および関連する産業拠点や沿岸地域へのエネルギー供給に加え、海水淡水化や低炭素燃料の生産といったエネルギー集約型用途など、幅広く実現可能性を調査。ビューローベリタス・マリン&オフショア社は船級、リスク評価、認証に関する専門知識を提供し、浮体式原子力発電開発に伴う安全性、規制、技術的な課題の評価を支援する。一方、ABMIグループは、原子力・海事分野でのエンジニアリングやプロジェクト遂行の経験を提供する。ニュークレオ社は2036年までの産業展開に向けて今後の開発計画とロードマップを策定し、フランス国内で建設、同国の産業化と脱炭素化の取組みに貢献したい考えだ。
海洋原子力用途の展開には、原子力と海洋の安全要件の両方を統合することに加え、適切な許認可、保安、運用に関する枠組みが必要であり、国際的な協調の取組みも加速している。ニュークレオ社は、このほど発足した国際原子力機関(IAEA)の「ATLASイニシアチブ」を通じ、革新的な原子力利用とそれに伴う規制・安全上の影響について、対話や技術的理解が深まることに期待を寄せている。

