OECD/NEAとEPRIが発電コスト報告書
原子力新設 標準化・シリーズ建設進めばLCOE4割減
06 Nov 2026
経済協力開発機構・原子力機関(OECD/NEA)と米国電力研究所(EPRI)はこのほど、21か国・23技術の発電コストを比較した共同報告書「2025年版 発電コスト」を発表した。 原子力の新設については、当面の建設案件と、設計の標準化やシリーズ建設による習熟効果が十分に進んだ段階(NOAK: Nth-of-a-kind)に分けて費用を提示し、後者では発電コストが大幅に低減する可能性を示した。
1983年に始まるシリーズの10冊目となる今回は、EPRIのデータベースを活用し、過去最大規模となる309件のデータを収録。 比較に当たっては、実質割引率5%、CO₂価格を1トン当たり50ドル、原子力などの設備利用率を85%に設定した。
報告書によると、新設大型原子炉のLCOEは、当面の建設案件では1MWh当たり95~168ドルで、中央値は141ドル。 一方、NOAK段階では56~87ドル、中央値は81ドルとなった。 小型モジュール炉(SMR)も、当面の建設案件の中央値146ドルに対し、NOAK段階では84ドルに低下する。 報告書は、NOAK段階で想定されるコスト低減が実現すれば、原子力は100ドル/MWh未満で24時間カーボンフリー電力を供給できるようになるとしている。
こうしたコスト低減には、設計の標準化やシリーズ建設による習熟効果に加え、安定した政策や予見可能な規制、競争力のある資金調達、技能人材の育成も必要だとしている。
一方、既設原子炉の長期運転(LTO)のLCOEは中央値44ドル/MWhで、今回比較した技術の中で最も低かった。 陸上風力は59ドル、太陽光は67ドルだった。ただし、風力・太陽光のLCOEには、出力変動に対応するためのシステム費用は含まれていない。
報告書はまた、原子力は初期投資が大きく固定費の比率が高いため、設備利用率や割引率の変化による影響を受けやすいと指摘。 電源の選択に当たっては、発電所単位のLCOEだけでなく、電力システム全体の費用や供給信頼性、脱炭素への貢献を含めた評価が必要だと強調している。





