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ロシアのRBMK原子炉、レニングラード2号機が永久閉鎖

13 Nov 2020

レニングラード原子力発電所 ©Rosenergoatom

ロシアの民生用原子力発電公社であるロスエネルゴアトム社は11月10日、レニングラード原子力発電所で2号機(100万kWの軽水冷却黒鉛減速炉)が45年間の運転を終えて、永久閉鎖されたと発表した。

同発電所では、チェルノブイリ発電所と同型の100万kW級RBMKを4基稼働しており、45年間稼働した1号機を2018年12月に永久閉鎖し、今回2号機を閉鎖する。これらは第3世代+(プラス)の120万kW級ロシア型PWR(VVER)「AES-2006」で順次リプレースされることになっており、同設計を採用したII期工事1号機はすでに2018年10月末に営業運転を開始、II-2号機についても今年10月22日に初めて国内送電網に接続している。

発表によると、ロシアで永久閉鎖された原子炉はロシア連邦の規制・規則に基づき、核燃料が抜き取られるまでは「発電せずに運転中」の状態とみなされる。抜き取りが完全に終了するまで約4年を要する見通しで、この間に発電所では廃止措置で使用する技術の確定など、廃止措置プロジェクトの実施準備を進めることになる。

ロスエネルゴアトム社のA.ペトロフ総裁は、「レニングラード発電所では原子炉の世代交代が完璧に進められており、2号機の閉鎖に合わせて第3世代+のII-2号機が試験運転を実施中だ。消費者は原子炉がリプレースされたことすら気づかないだろう」と述べた。

ロスエネルゴアトム社によれば、最新設計の「AES-2006」では「RBMK-1000」に対して技術的に様々な改良が施されている。出力が20%向上したほか、公式運転期間もこれまでの30年から2倍の60年に拡大。レニングラード発電所のRBMK×4基も30年が経過した後、機器の大規模な点検・補修プログラムが行われ、4基すべてについて追加で15年間の稼働が許可された。

同発電所はロシア北西地域では最大の発電所であり、近年はレニングラード州や州都サンクトペテルブルクにおける総発電量の56%以上を賄っている。120万kW級のVVERが2基送電開始した時点で、引き続き約60%を賄うことになると同社は予想している。

(参照資料:ロスエネルゴアトム社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月10日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

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