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建設中の米ボーグル3号機 初装荷燃料が到着

11 Dec 2020

©Georgia Power

米国で約30年ぶりの原子炉新設計画を進めているジョージア・パワー社は12月9日、A.W.ボーグル原子力発電所で完成間近の3号機(PWR、110万kW)サイトに初装荷燃料が到着したと発表した。

同発電所3、4号機は、ウエスチングハウス(WH)社製の第3世代設計AP1000を国内で初めて採用し、それぞれ2013年3月と11月に建設工事が本格的に始まった。3号機では今年10月に冷態機能試験が完了し、建設進捗率は約96%に到達。ジョージア・パワー社は現在、3号機の温態機能試験を来年1月に開始する準備を進めており、燃料の初装荷は同試験が完了した後の2021年4月を予定している。しかし、同社の親会社であるサザン社は、新型コロナウイルスによる感染の影響や一部作業の遅れにより、燃料装荷は来年夏ごろになるとの見方を別途表明したと伝えられている。

ジョージア・パワー社は今のところ、両炉をそれぞれ2021年11月と2022年11月までに完成させる考えだが、ひとたび運転が始まれば、両炉は60年から80年の間、クリーンで安価な電力を50万戸以上の世帯や企業に安全に供給し続ける。また、サザン社が掲げている「2050年までにCO2排出量の実質ゼロ化」という目標の達成にも大いに貢献するとしている。

今回到着した燃料は、長さ14フィート(約4m)の燃料集合体が157体で、運転開始後は、燃料交換時に約3分の1ずつ新しいものと交換することになる。

ジョージア・パワー社の発表によると、今年は3、4号機の建設サイトで以下の作業を完了している。

・3号機の常温状態試験で冷却系の溶接部や接合部、配管等が設計通り機能するか、また高圧システムで漏れが生じないかを確認した。

・3号機で緊急事象の発生を想定した対応訓練を実施し、近隣住民の健康と安全を効率的かつ効果的に確保する能力を実証した。*

・原子力規制委員会(NRC)が3、4号機の運転員および上級運転員となる62名に免許を交付した。

・3号機の格納容器で構造性能確認試験と全体漏えい試験を実施し、同容器が設計要件を満たしていることを確認した。

・3号機の格納容器と遮へい建屋の上部に水タンク用のモジュール(CB-20)を設置し、緊急時に原子炉を冷却するための水75万ガロンの注入性能を確保した。

・3号機の原子炉容器上部に一体型ヘッドパッケージ(IHP)を設置し、運転員が同容器内の核反応を監視・制御できるようにした。

・3号機の原子炉容器の蓋を開けた状態で、主要な安全系から同容器に水を流す試験を実施し、流路がふさがれたり狭まったりしていないか、およびシステムの構成要素が設計どおり機能するか確認した。

・ポーラー・クレーンを設置して両炉の格納容器内部への大型機器吊り上げ・設置作業を完了した。

このほか同社によると、今年初頭に世界原子力発電事業者協会(WANO)が建設サイトを訪問し、両炉の起動前審査を実施。2基のAP1000原子炉で安全な運転が可能か、準備状況を評価している。

(参照資料:ジョージア・パワー社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの12月10日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

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