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英ウェールズ政府とサイズウェルC企業連合が協力覚書

08 Feb 2021

©Sizewell C Consortium

英グレートブリテン連合王国の一地域であるウェールズの政府は2月5日、サイズウェルC(SZC)原子力発電所(出力約167万kWの欧州加圧水型炉: EPR×2基)の建設に向けて結成された原子力サプライチェーン「サイズウェルC企業連合」と協力覚書を締結したと発表した。

ウェールズでは先月27日、アングルシー島におけるウィルヴァ・ニューイッド原子力発電所建設計画について、事業者が主要認可となる「開発合意書(DCO)」の申請を取り下げると発表した。今回の覚書を通じて、ウェールズ政府はこれまで同地域で培われてきた原子力スキルを維持していく方針である。

「サイズウェルC企業連合」は昨年7月、英国の原子力サプライチェーンに属する企業や労働組合など32社が結成したもので、現在の参加企業数は約200社に拡大した。英国の商業炉15基すべてを保有するEDFエナジー社のほか、大手エンジニアリング企業のアトキンズ社やアラップ社、ヌビア社、原子力事業会社のキャベンディッシュ・ニュークリア社、建設大手のレイン・オルーク社、米国籍のGEスチーム・パワー社などが参加。大手労組のGMBやユナイト・ユニオンも加わっている。

今回の覚書によると、グレートブリテン島の南東部、イングランドのサフォーク州で同発電所建設計画が承認された場合、「サイズウェルC企業連合」はその全建設期間中、同島の南西部に位置するウェールズで最大約9億ポンド(約1,300億円)の投資をサプライチェーンに行うとともに、4,700人分の雇用を支援。英国では現在、EDFエナジー社がサマセット州でヒンクリーポイントC(HPC)原子力発電所(170万kW級のEPR×2基)を建設中であることから、同社を中心とする「サイズウェルC企業連合」はHPC発電所が完成に近づいた段階で、そのサプライチェーンをSZC発電所用に移行させる可能性を検討する。

ウェールズでは1960年代半ばから1990年代半ばまで、トロースフィニッド原子力発電所(23.5万kWのGCR×2基)が北西部のグゥイネズで稼働。英国の原子力部門とは長年にわたって協力し合い、数多くの地元専門家が同部門の要請に応えてきた。

ウェールズ政府のK.スケーツ経済相は、「原子力に関する専門的知見やノウハウの蓄積で、ウェールズには確固たる実績があり、英国内の原子力事業は今や、世界の原子力サプライチェーンの一部分を担っている」と説明。SZC計画にゴーサインが出れば、そこから利益を得る態勢が整っていると述べた。同相はまた、「先般のウィルヴァ・ニューウィッド計画のニュースは残念だったが、今回の覚書締結により、ウェールズの専門的知見がどれほど必要とされているか明らかになった」と述べた。

「サイズウェルC企業連合」のC.ギルモア広報担当は、「サイズウェルC発電所によってウェールズ全体に雇用や関係スキル、長期的な経済成長がもたらされると産業界は考えており、今回の覚書ではそれが明確に示された」と指摘。このような利益の実現に向けて、同企業連合は今後もSZC計画の承認取得プロセスを支援していくとした。EDFエナジー社は2020年5月に同建設計画の「開発同意書(DCO)」を計画審査庁(PI)に申請しており、PIは6月24日付でこの申請を受理している

(参照資料:ウェールズ政府サイズウェルC企業連合の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの2月5日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

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