原子力産業新聞

海外NEWS

米貿易開発庁、ポーランドの原子力導入計画を支援

07 Jul 2021

ポーランドでUSTDAの補助金文書に署名するWH社幹部 ©Westinghouse Electric

米国政府で非軍事の海外援助を担当する貿易開発庁(USTDA)は6月30日、ポーランドの民生用原子力発電導入計画を支援するため、同国の国営原子力発電会社(PEJ)に基本設計(FEED)調査用の補助金を提供すると発表した。

具体的な金額は公表していないが、ポーランドが計画する「2043年までに2サイトで6基(合計出力600万kW以上)の原子炉を建設」を実現するため、この補助金で米国籍のウェスチングハウス(WH)社とパートナー企業のベクテル社がFEED調査を実施する。その結果から、最も先進的かつ競争力のある原子炉技術をポーランド政府に提案し、その意思決定を支援することになる。

この協力は、両国が2020年10月に締結した「(ポーランドの)民生用原子力発電プログラムに関する政府間協力協定(IGA)」に基づいている。同協定が今年2月に発効したことから、米国はポーランドが石炭火力から脱却し、長期的なエネルギー供給が可能になるよう協力。USTDAはポーランドが必要とする民生用原子力発電の需要を、米国の技術で対応したいと述べた。

米国の政府全体がポーランドのプログラムを幅広く支持していることを示すため、今回の補助金の調達には国務省(DOS)のヨーロッパ・ユーラシア局とエネルギー省(DOE)が関与。この補助金に加えて、WH社とベクテル社も調査の完了に必要な追加資金を提供することになる。

WH社の同日付発表によると、FEED調査はポーランドの計画を前進させる重要な一歩であり、両国のIGAを実行に移す主要要素でもある。PEJ社はポーランドで完成した原子力発電所の建設と運転を担当する予定で、国立裁判所に登録されていた企業名が今年6月、これまでの「PGE EJ1社」から変更されたばかり。WH社は同社に対し、最初の原子力発電所のレイアウトプランや許認可手続の実施管理、開発スケジュール、起動までに要する経費の見積額等を提示。ポーランド政府はこれらの情報を審査した上で、原子力発電プログラムにおける最良のパートナーを決定する考えだ。

今回の決定についてPEJ社は、「グローバルに活躍する米国の主要な原子力企業が、我が国の重要な調査の実施と資金負担を約束してくれたことは有り難い」と表明。ポーランドのプログラムを前進させる新たな推進力が得られるよう、作業を前倒しで進めたいと述べた。

一方、米国のDOEは、「ポーランドのプログラムが同国の国家経済や安全保障に資することを理解した上で、これを成功に導いていく」と表明。「この建設計画は両国の戦略的連携関係を強化するとともに、ポーランドが原子力で信頼性の高いクリーンで安全なエネルギーを得るという目標を達成する一助になる。また、米国政府は世界中の民生用原子力産業と協働し、国内の原子炉ベンダーをサポートする方針。地球温暖化の防止に向けたポーランドと米国の共同取組を後押しすることにもなる」と述べた。

(参照資料:USTDAWH社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの7月1日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

cooperation