原子力産業新聞

海外NEWS

米WE ボーグル4をリファレンスプラントに設定

20 Apr 2026

桜井久子

手前にボーグル4号機。後方に3号機
© Georgia Power

米ウェスチングハウス(WE)社は46日、同社製PWRAP1000」のDesign Control Document(DCD)の改訂第20版を米原子力規制委員会(NRC)へ提出し、設計認証(DC)の更新を申請したことを明らかにしたWE社はこの更新により、米ジョージア州で運転中のアルビン・W・ボーグル原子力発電所4号機(125.0kWe)をAP1000の新規フリート展開のリファレンスプラントとして位置づけ、許認可手続きの効率化と導入を加速させたい考え。

WE社は20061月にNRCからAP1000DCを取得したが、NRCからの新たな規制要求に対応して設計を補正し、201112月に承認された。NRC20258月、重大な反対意見がない場合にそのまま発効する「直接最終規則」により、設計認証の有効期間を15年から40年に延長した。これによりAP1000DC2046年まで有効となっている。今回の申請ではボーグル3-4号機の許認可手続き、建設、運転から得た教訓をDCD改訂第20版に反映させている。DCDは、標準炉型の技術的詳細を定義し、すべての規制および安全要件を満たすことを保証するもので、新規炉の許認可手続きにおいて、主たる参照資料となる。今後、NRCの審査により承認されれば、運転中のボーグル4号機が、すべての新規AP1000プロジェクトの標準ユニットとして正式に採用され、AP1000の建設・運転一括認可(COL)申請の迅速化と、AP1000の迅速な大規模展開が可能になる。なおWE社はNRCに対し、2026年中の承認とともに、DCの有効期間の40年再延長を要請している。

WE社のD. サムナー暫定CEOは、「今回、ボーグル4号機をリファレンスプラントとして確立することで、当社とパートナー企業はより高い予見可能性を持って、複数のAP1000を同時に迅速に提供できる。顧客にとっても、これまでに建設されたことのない初の設計に伴う技術的リスクを負うことなく、実績ある標準プラントの大規模導入の実現が可能になる」と強調した。

今回の申請は、WE社の掲げる2030年までに国内に10基のAP1000の建設目標を後押しする。

WE社は311日、同目標達成による経済的影響に関して、コンサルティングファームの英プライスウォーターハウスクーパース(PwC)による調査結果を発表。建設段階の13年間にわたり、米国に928億ドル以上の国内総生産(GDP)と年間44,300人の高レベルの雇用を生み出し、稼働開始後の80年間の運転期間を通じてさらに1.03兆ドルのGDPおよび年間22,500人の雇用を創出する見通しを示した。

AP1000は、完全受動的安全システムとモジュール式構造設計を備えた第3世代+(プラス)炉で、現在6基(中国で4基、米国で2基)が運転中である。ポーランド、ウクライナ、ブルガリアの新設プロジェクトでもAP1000が採用されており、他欧州諸国や中東、北米でも採用が検討されている。

cooperation