原子力産業新聞

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カザフスタン SMRや第4サイトも検討へ

28 Apr 2026

桜井久子

© gov.kz

カザフスタンのK.-J. トカーエフ大統領は4月15日、2050年までの原子力産業の国家戦略を承認した。エネルギー安全保障の強化、持続可能な経済成長、脱炭素対応、技術力向上を目的とする同戦略では、具体的な建設計画として、2050年までに少なくとも3サイトで原子力発電所の稼働を想定。小型モジュール炉(SMR)の導入に加え、第4サイトの検討も行っていくとしている。

同国では電力需要の増加と供給不足が顕在化しており、統一電力システムによる見通しでは、20262032年に追加で最大約266kWの設備容量が必要となる可能性がある。特に南部および西部で不足が顕著とされ、安定供給には地域特性を踏まえた複数の原子力発電所の段階的整備が不可欠と位置づけている。

戦略では、①原子力発電の拡大、②ウラン資源の活用、③研究開発、④廃棄物・使用済み燃料管理、⑤核セキュリティ強化、⑥人材育成・産業育成、⑦デジタル化――を柱に掲げる。

建設計画としては、第1、第2サイトは、同国の南部エリアに計画。第1サイトでは、ロシア国営原子力企業ロスアトムとの協力により、アルマティ州のジャンブール地区にて、ロシア製VVER-1200×2基の建設が決定しており、2025年8月にエンジニアリング調査が開始されている。第2サイトでは、最大出力240万kWeの導入を計画しており、第1サイトと同じ、ジャンブール地区がすでに候補として特定されており、中国との協力が有望視されている。

第3サイトでは、最大合計出力120万kWeの小型モジュール炉(SMR)の導入を計画。さらに、電力消費量の増加が予測される中、有望な地域に4番目の原子力発電所の建設プロジェクトを実施する計画を示している。SMR導入については、地域的な特性、プロジェクトの技術的・経済的な妥当性を考慮し、SMRの適用可能性に関する技術経済分析を行い、SMRの設置優先地域の特定(エネルギー不足地域や電力網インフラが未整備な地域を含む)、および老朽化した石炭火力発電所の代替可能性を検討していくとしている。

安全面では、福島第一原子力発電所事故の教訓を反映し、外部電源なしでも機能する受動的安全システムを採用、国際基準に基づく廃棄物管理を実施すると強調した。

この戦略の推進により、建設段階(1つの原子力発電所の建設ピーク時には最大1万人)だけでなく、エンジニアリング、科学、教育、サービス分野においても、数千の雇用の創出が想定されている。送電線などのインフラ整備、教育・人材育成の強化によるスキル向上、原子力クラスター形成で国内産業を活性化させて国際競争力を高め、エネルギー安全保障と経済・技術の自立性を長期的に向上させる考えだ。

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