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敦賀2号機 原電が追加調査の進捗説明

18 May 2026

中西康之助

K断層の活動性調査におけるボーリング調査地点 ©日本原電

原子力委員会は513日、日本原電執行役員の神谷昌伸氏より、「敦賀発電所2号機の再稼働審査に係るこれまでの経緯と追加調査について」の報告を受けた。

2号機は、19872月に営業運転を開始し、20115月まで約24年間稼働していたが、福島第一原子力発電所の事故を受けて運転を停止している。同機は202411月、原子力規制委員会の新規制基準適合性審査において、敷地内のD-1トレンチ内に認められるK断層の後期更新世以降の活動性を否定できない(約1213万年前)こと、また、K断層が原子炉建屋直下を通過する破砕帯との連続性を否定できないことが指摘され、「新規制基準に適合しない」との判断がなされた。

しかし日本原電は、安全性を確認した上で同機の再稼働を目指す意向を示している。

神谷氏によると、同社では社外専門家の意見も参考にしながら、昨年10月より「K断層の分布と性状」、「K断層の活動性と連続性」、「その他破砕帯等の地質データ取得」に関する調査を実施している。

そのために、発電所敷地内でのボーリング調査、立坑・横坑の掘削によって岩盤を直接観察する調査等を進めており、すでに立坑工事は工期終盤に入り、来月には横坑掘削が始まる予定だという。同社では、調査を通じてK断層等の性状をより詳細に調査し、再稼働に向けた再申請のためのデータを収集する方針だ。

同委員会の後半、追加調査、そして、審査における当該断層の評価や追加調査の在り方について意見が交わされた。原子力委員らから、K断層の活動性や連続性をめぐる評価について、「どの範囲まで調査し、どのようなデータを示せば、当該断層の活動性や連続性を否定できるのか」「どういったデータを示せば再稼働に向けて必要なデータを揃えることが達成できたと言えるのか」との指摘があった。

これに対し神谷氏は、追加調査やデータを着実に積み重ねながら、総合的に評価していく考えを示した。また、調査地点についても、「限られた調査地点から総合的に評価する必要があり、どこの地点を選定するのかが重要になる」と述べた。また、2年程度を見込んでいる追加調査の進捗について神谷氏は、「おおむね順調に進んでいる」とコメントした。

さらに、長期の運転停止が続く原子力発電所の再稼働をめぐる地元の反応について神谷氏は、日本原電と地元自治体が築いてきた関係性に言及しつつ、「当該地域にはさまざまな意見があるが、規制側・事業者側の双方が、透明性をもって再稼働に向けたプロセスを進めていくことが重要だ」と強調した。

また他の委員は、福島第一原子力発電所事故以降、原子力を巡るリスク評価が多角的に進められているとの認識を示したうえで、原子力発電所の再稼働を実現するためには、社会的なコンセンサス形成に向けた不断の努力が重要であり、引き続き丁寧な説明や対話の継続を日本原電に求めた。

その他、追加調査で得た知見を、同様の課題を抱える他電力会社と共有すること等が提案され、神谷氏は、各社に共通する課題を整理し、議論を進めていく意志を明らかにした。

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