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チェコのテメリンが80年運転へ SMR導入プロジェクトにも進展

04 Aug 2026

桜井久子

テメリン発電所 © ČEZ

チェコ電力(ČEZ)は714日、テメリン原子力発電所1-2号機(ロシア製PWR=VVER-1000、各108.6kWe)の運転期間を80年とする運転期間延長に向けた、大規模な設備更新と近代化作業を実施することを明らかにした。タービン発電機の更新、計装制御(I&C)システムの近代化、大型機器の保守を行うための新たなメンテナンス棟の建設、冷却水配管の更新などが予定されている。

これにより、同1-2号機のそれぞれ2080年と2082年までの運転を目指す。1985年から1987年にかけて順次運転を開始したドコバニ原子力発電所(VVER-440×4基、各51.2kWe)においても80年の長期運転に向けた取組みが進められている。両発電所の運転による原子力シェアは、約4割を占める。

ČEZは運転開始当初、両発電所を60年間運転する計画であったが、同社が数年間取り組んできた経済的・技術的分析に基づき、20年の運転期間延長に向けた作業の実施を決定した。ドコバニ発電所では、タービン建屋の主要設備の更新、配電盤や各種バルブの更新に加え、テメリン発電所と同様に、制御・安全システムの近代化が段階的に進められる。同社のD. ベネシュCEOは、「世界では80年運転がトレンドになりつつある。機器の状態や運用の安全性が定期的に評価される限り、現実的な対応である」との考えを示した。

両発電所の長期運転の前提として、原子炉圧力容器や主要構造物などの交換が困難な設備の健全性を非破壊検査や材料劣化評価などにより定期的に確認。ČEZは安全性を最優先に、技術的・経済的条件を継続的に検証しながら作業を進める方針である。同社は両発電所での近代化と安全性強化作業に年間70億コルナ(約525億円)を投じ、雇用機会の増加、チェコ企業の長期的な受注と将来的な輸出機会の拡大に期待を寄せている。

チェコの原子力発電所には法令上の運転年数の上限はなく、主要設備の技術的な状態が重要な基準となる。運転延長には、事業者が10年ごとに実施する定期的な安全評価を通じて設備の健全性や安全要件への適合性、十分な人的・財政的資源を有することを証明する必要がある。チェコの規制当局である国家原子力安全局(SÚJB)が、事業者による評価について厳格に審査を実施する。

SMR建設向け 追加2サイトを開発へ

ČEZは721日、チェコ政府および英ロールス・ロイスSMR社と、小型モジュール炉(SMR)の追加建設サイトの開発に向けて覚書を締結した。現在、テメリン・サイトに隣接して建設するSMRプロジェクトの初期エンジニアリング作業が進行中であるが、これに加え、同国北東部のジェトマロヴィツェ(Dětmarovice)および北西部のトゥシミツェ(Tušimice)にある石炭火力発電所の跡地を想定している。これら3サイトで最大6基(総出力約30kWe)のロールス・ロイス社製SMRPWR, 47kWe)を建設し、電力供給に加え地域熱供給にも活用する計画である。ČEZ202410月にロールス・ロイスSMR社の株式約20%取得して戦略的パートナーとなっており、初号機は2030年代後半にテメリン・サイトに隣接して建設予定。

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