スウェーデン政府 SMR開発会社の株式60%取得へ
06 Jul 2026
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スウェーデン政府は6月25日、ヴェーロー半島にあるリングハルス原子力発電所3-4号機(PWR、各110万kWe級)の近隣サイトで新規建設計画を進めるプロジェクト会社「ビデバーグ・クラフト(Videberg Kraft)」社の株式60%を取得し、筆頭株主となることを決定した。政府は、官民連携による原子力開発を本格化させる方針。
ビデバーグ・クラフト社は、国営電力会社バッテンフォール(Vattenfall)が新規建設に向けて2025年4月に設立したプロジェクト会社。政府による株式取得前は、バッテンフォールが80%、産業企業連合インダストリクラフトが20%の株式を保有。政府は今回の措置により、バッテンフォールの持ち株から60%を取得するため、最終的にバッテンフォールとインダストリクラフトはそれぞれ20%を保有する。政府は2026年春の改正予算で、スウェーデン議会(リクスダーゲン)に対し、ビデバーグ・クラフト社の株式60%を最大18億スウェーデンクローナ(約300億円)での取得と将来の資本注入の許可を求め、議会が6月9日にこれを承認した。株式の正式な移転は、2027年後半に行われる見込み。
ビデバーグ・クラフト社は今年6月に、英ロールス・ロイスSMR社製のSMR(PWR, 47万kWe)の採用を決定し、同サイトに3基のSMR建設に向けた詳細な計画策定を進めている。
同社は、2025年12月に政府に対し国家補助を申請。国家補助制度は、多額の投資と高いリスクを伴う新規建設に対して、低利な政府融資の利用による資金調達コストの削減や原子力発電自体のコスト削減を目的とするもので、2025年8月から施行されている。このほど、政府融資や差金決済契約(CfD)、リスクと利益を分担する国家補助の基本条件も合意された。政府は今後、欧州委員会(EC)へ国家補助の承認を申請し、2027年後半の承認を見込んでいる。
なお、原子力発電はリードタイムが長く、将来の政権交代などに伴う政策変更による政治リスクを抱える。このため政府は2025年10月、投資家の予見可能性を高め、政治リスクの低減と新規建設への民間投資を促すため、将来の政治的決定により原子力が中止又は廃止された場合の国による補償制度の在り方を検討する調査委員会を設置した。同調査委員会は6月30日、中間調査報告を発表。報告では、政治的理由による事業中止の場合、許認可を申請した事業者に対し、①事業で発生した実費および中止後に生じる必要経費(政府支援分を除く)、②投下資本について、本来得られるはずだった合理的な収益、③試運転開始後に運転開始前で廃止となった場合、20年間の運転を前提とした合理的な将来収益――などの補償を認めることを提案している。なお、補償制度の法的枠組みや補償の具体的な要件、補償額の詳細な算定方法などは、2026年末に提出予定の最終報告で示される予定。




