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オランダ 米仏企業と大型炉新設に向けて調査契約締結

04 Sep 2026

桜井久子

© NEO NL

オランダで原子力発電所の新設準備を担う国有企業NEO NLは825日、フランス電力(EDF)、米ウェスチングハウス(WE)社と、新規原子力発電プラント2基の建設に向けた基本設計(FEED 1)調査契約をそれぞれ締結したことを明らかにした。両社は今夏以降、オランダでの新規建設を具体化するための設計作業を開始する。

オランダ政府は今年2月、2基の新設を担う国有企業「NEO NLNuclear Energy Organisation Netherlands)」を設立した。NEO NLは、政府の方針や立地決定に基づき、新設2基の許認可から建設、運転、最終的な廃止措置までを担う実施主体。同2基は、それぞれ少なくとも100kWeの設備容量を持ち、同一地点に建設される。今夏以降、気候・グリーン成長相と住宅・空間計画相が共同で優先立地の決定案を策定する予定で、NEO NLはその間、ベンダーの選定に向けた準備を進める。

FEED 1は2段階で実施。まず「FEED 1a」では、建設地点がまだ正式に決定していないことから、立地条件に左右されない設計・技術面の検討を進める。政府による優先立地の決定案策定後、「FEED 1b」に移行し、候補地の条件を反映した検討を行う。これにより、政府の立地選定と並行して準備作業を進めることが可能になる。

FEED 1では、両社がそれぞれ提案する第3世代+(プラス)炉について、オランダの建設規則、原子力安全規制、許認可要件、技術基準、工程などへの適合性を詳細に検証する。また、早い段階でリスクや重点的に対応すべき事項を洗い出すとともに、将来の発電所所有者とベンダーの責任範囲についても整理。期間は12~18か月程度と見込む。

今回の契約により、両社は今後の入札に向け、より精度の高い提案を行うための準備を進めることができる。これにより、将来の建設費の予見性を高め、事業リスクの低減につながることが期待される。なおFEED 1は、オランダ政府が以前、米WE社、仏EDF、韓国水力・原子力(KHNP)の協力を得て実施した実現可能性調査(F/S)に基づいている。F/Sでは各社の原子炉設計が同国への導入に適しているかを評価したのに対し、FEED 1では法令や規制要件への適合性など、設計についてさらに詳細な評価を行う次段階のもの。

オランダ政府は、原子力を2040年までに炭素排出ネットゼロを達成するための主要なエネルギー源に位置づけており、202112月に発足した連立政権が連立合意文書に原子力発電所の新設を明記するなど、原子力を段階的に縮小する従来の方針を転換。202212月には、新規大型炉の建設地として同国ゼーラント州で唯一運転中のボルセラ原子力発電所(PWR, 51.2kWe)サイトが最適との見解を示していた。政府は2023年12月、KHNP、WE社、EDFとボルセラ・サイトにおける2基の新規建設の技術的可能性、安全性、環境影響、コストと時間の詳細な見積りを含む、F/Sの実施について契約。2024年にF/Sは完了したが、KHNPは以後の選定プロセスからは撤退している。なお、優先候補地とされたボルセラだけでは環境影響評価の手続き上、法的に持続可能な立地決定にならず、今年2月の時点で、ボルセラ・サイトを含むスロー地域に加え、フローニンゲン州のエームスハヴェン、ロッテルダム港のマースフラクテII、ゼーラント州のテルネーゼンの4地域の7か所がサイト候補に挙がり、安全・環境面を含めた総合評価が実施された。その結果、以下の2地域3地点に候補が絞り込まれた。

  • ゼーラント州: テルネーゼン(Terneuzen)のMosselbanken/Paulinapolder
  • フローニンゲン州: エームスハヴェン(Eemshaven)のEmmapolderEemscentrale

政府は今年末には、テルネーゼンとエームスハヴェンのいずれかを選定する予定である。

政府は最大4基の大型炉の新設を計画し、最初の2基は早ければ2030年代末までに稼働させたい考え。追加2基については2028年頃には建設方針を決定する一方、別途、小型モジュール炉(SMR)の導入の可能性についても、並行して検討していくとしている。

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