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スウェーデン 新規原子力実現に向けた動きが活発化

10 Sep 2026

桜井久子

© Studsvik/ LinkedIn

スウェーデンでは今年8月下旬から9月初めにかけて、新規建設に向けた動きが相次いでいる。スウェーデンは2035年までに小型モジュール炉(SMR)や大型炉を含む新規原子力発電設備容量を250kWe2045年までに1,000kWeの拡大をめざしており、新規建設向けの政府の支援制度が202581日から施行されていることが背景にある。政府融資や差金決済契約(CfD)など、リスクと利益の分担を通じて事業を支える国家補助の枠組みが整備され、複数の事業者がプロジェクトを政府に申請する段階へ移行している。

まず825日、同国の先進炉開発企業であるブリカラ(Blykalla)社は、ウプサラ県ティエルプ市のウントラ(Untra)に、同社が開発を進める先進モジュール炉(AMR)の鉛冷却高速炉「SEALER」(5.5kWe)×6~8基、最大合計出力44.0kWeの建設計画について、政府に承認を申請した。年間発電電力量は約36.8kWhと想定される。同社は今年5月に、イェヴレボリ県イェヴレ市のノルスンデット(Norrsundet)で「SEALER」×6基、合計33.0kWeの同国初となる先進炉を採用した商用発電所の建設計画の承認申請をしており、ウントラでの計画はそれに次ぐもの。国内で複数の原子力パークを展開する動きの一環である。8月31日にはブリカラ社が全額出資するプロジェクト会社のウントラ・ニュークリア・パワー社がウントラでの建設計画に対する国家補助を申請した。

8月27日には、フィンランドの電力大手フォータム(Fortum)社傘下で、スウェーデンにおける新規原子力発電のプロジェクト会社であるNuCore Energi社が、同国南部のオスカーシャム市で計画する新規建設に向けて国家補助を申請した。建設規模は120kWe340kWeで、SMRと大型炉の双方を選択肢として検討している。フォータム社は2年間にわたる新規原子力発電の実行可能性調査の結果、大型炉ではフランス電力および米ウェスチングハウス(WE)社/韓・現代E&C社、SMRでは米GEベルノバ日立ニュークリアエナジー(GVH)社との協力を強化。20256月にそれぞれ先行作業契約(EWA)を締結している。NuCore Energi社は今回の政府への申請を契機に、支援条件などに関する協議を開始する方針。

なお、国家補助の申請はブリカラ社とNuCore Energi社の申請を含め、今年8月末の時点で6件となっているが、国家補助対象は最大約500kWe、およそ大型炉4基分相当と限られている。

9月3日には、スウェーデンの原子力技術サービス企業スタズビック(Studsvik)社の主導下で、GVH社、韓国サムスンC&T(サムスン物産)などがGVH社製SMRBWRX-300(BWR, 30kWe)×4基、計約120kWeの建設プロジェクトを共同開発することで合意した。建設候補地はスタズビック社の既存の原子力施設がある同国南部ニショーピング(Nyköping)とヴァルデマルスヴィーク(Valdemarsvik)のマルメ(Målma)の2か所。複数の拠点で展開する新規原子力開発プログラム「ReFirm」の初プロジェクトとして、いずれかのサイトで2030年代半ばには初号機を運転開始する計画だ。今回の合意により、独占交渉期間中に、商業面や技術面、規制面、資金調達面などに関する共同作業を開始する。

スウェーデンの新規原子力発電開発では、制度整備の段階から複数の事業者が具体的な建設案件を競う段階に入った。大型炉だけでなくAMRSMRも計画されており、今後は政府による支援案件の選定や許認可、資金調達などが焦点となる。

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