ロシア 浮体式原子力発電ユニットによる電力輸出でインドネシアと合意
27 Oct 2026
ロシア国営原子力企業ロスアトムは10月16日、インドネシア国営PT Pembangkit Listrik Nuklir社と、インドネシア東部の北マルク州に、ロシア製浮体式原子力発電ユニットの配備による電力供給で合意した。浮体式原子力発電による電力輸出は世界初。同日、モスクワで開催された「ロシア・エネルギー・ウィーク(REW)」において合意書が調印された。
ロスアトムは、浮体式原子力発電ユニット「FPU-100」(海外市場向けPWR=RITM-200M×2基搭載、10万kWe)を2ユニット配備(計20万kWe)し、北マルク州のハルマヘラ島北部の産業や住民向けに電力を供給する。同ユニットは、原子力砕氷船での長年の運用を通じてその効率性、信頼性、安全性が実証されているRITMシリーズの原子炉を採用。主な契約条件の発効から約5年後に電力供給が開始される見込みだ。
ロスアトムのA. リハチョフ総裁は、「今回の合意は、単なる電力供給にとどまらず、長期的なパートナーシップの基盤を築くもの。政府による体系的な支援があれば、民間セクターが国の経済を変革し得る原子力プロジェクトを主導・推進できることを証明している」と述べた。
インドネシアの原子力科学者でありPT Pembangkit Listrik Nuklirの取締役であるYudi Utomo Imardjoko氏は、「クリーンで信頼性が高く、CO2排出のない電力供給はインドネシアの長期的なエネルギー確保に不可欠。原子力発電は、わが国の増大するエネルギー需要を満たしつつ、特にインドネシア東部における経済発展を支援する持続可能な解決策となる。本プロジェクトは、インドネシアの国家予算に依存することなく、民間部門の投資によって推進され、完全に企業間(B2B)の取り組みとして構成されている」と強調した。
インドネシア政府は2025年、国家エネルギー計画に原子力発電を盛り込み、長期的なエネルギー安全保障を確保するとともに、2060年までにカーボンニュートラルの達成を掲げている。
2024年7月、当時インドネシア国防相であったS. プラボウォ大統領がモスクワを訪問。V. プーチン大統領と会談し、ロスアトムとの協力に対するインドネシアの関心を正式に表明した。2026年5月、リハチョフ総裁は、プラボウォ大統領と会談し、原子力の平和利用における協力の見通しについて、原子力発電プロジェクトの開発、人材育成、原子力技術の非エネルギー分野への応用などの観点から、幅広く協議した。
ロスアトムはインドネシアに2段階のアプローチを提案。第1段階では、小規模な浮体式原子力発電ユニットの導入、第2段階では、陸上設置の大型炉の導入を提案しているという。





