原子力産業新聞

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米インディアナ州 大型炉・SMR・マイクロ炉の導入に向けた動き相次ぐ

02 Nov 2026

桜井久子

電力協同組合フージャー・エナジー、アトキンス・リアリス社、インディアナ州政府がMOU調印。最右にブラウン州知事。 © @GovBraun/ X

米インディアナ州では10月中旬、原子力発電の導入に向けた三つの異なる動きが相次いで発表された。加エンジニアリング会社アトキンス・リアリス(AtkinsRéalis)社による大型CANDU炉の導入可能性調査の実施、米電力大手AEP社・IT大手Amazon・米先進炉開発企業X-エナジー社による96万kWのSMR導入計画、さらに米海軍のクレーン海軍兵器基地における米先進炉開発企業ラディアント(Radiant Industries)社製マイクロ炉の採用決定である。

背景には、AI・データセンターや製造業の拡大、電化に伴う電力需要の増加と安定電源確保の必要性がある。M. ブラウン州知事は、CANDU炉の検討について、低廉な電力と高度技能の雇用創出を重視すると表明。SMRや軍施設への導入計画についても、雇用を創出し、送電網や国家安全保障を強化する先進原子力技術で全米をリードし、先進原子力分野での州の地位向上につながると期待を寄せている。なお、州内には現在、稼働中の原子力発電所はない。

■アトキンス・リアリス、最大600万kWeのCANDU炉導入を検討

加アトキンス・リアリス社はインディアナ州政府、電力協同組合フージャー・エナジー(Hoosier Energy)と10月19日、州内で最大8基、合計最大600万kWeのCANDU炉導入の可能性評価に向けて覚書(MOU)を締結した。

今後、立地、資金調達、電力購入契約、人材育成、送電網への統合などを評価する。原子炉の運転開始に先行してガスタービン・コンバインドサイクル発電を整備する案や、閉鎖済み、または閉鎖予定のガス火力発電所跡地を活用した原子力発電所への転用も評価する。

アトキンス・リアリス社は今年6月、CANDU炉の米国市場展開に向けて、米原子力規制委員会(NRC)に許認可申請に向けた意向通知書(Notice of Intent)を提出、事前申請協議を進めている。

■AEP・Amazon・X-エナジー社がSMR導入計画を検討

米電力大手アメリカン・エレクトリック・パワー(AEP)社、Amazon、X-エナジー社は10月19日、インディアナ州サリバン郡でSMR発電所の建設可能性を評価すると発表した。計画では、旧石炭火力発電所の跡地に、X-エナジー社製SMR「Xe-100」(高温ガス炉、8.0万kWe)×12基、合計96万kWeの配備を想定。Amazonはプロジェクトの開発資金を支援し、運転開始後は長期にわたり電力を購入する予定である。同発電所は地域の送電網およびAmazonのデータセンターに電力を供給し、建設時に1,000人超、運転段階で100人超の雇用が見込まれている。X-エナジー社とAmazonは、ワシントン州でもSMR導入を進めている。同州リッチランド近郊では、同州の電気事業者であるエナジー・ノースウェスト社と共同でXe-100×4基、計32万kWe導入し、将来的に最大12基、96万kWeまで拡張する計画(Cascade Advanced Energy Facility)だ。

■米海軍 ラディアント社のマイクロ炉をクレーン海軍兵器基地への配備に選定

ラディアント社は10月20日、米海軍がインディアナ州南部にあるクレーン海軍兵器基地(NWSC)向けに、同社の輸送可能な電気出力約0.12万kWのヘリウム冷却マイクロ炉「カレイドス」(Kaleidos)を選定したと発表した。同炉は工場製造後に陸・海・空路で輸送でき、最大5年間、燃料交換なしで発電できる設計。冷却水や大規模な掘削工事を必要とせず、送電網に依存しない電源として、軍事施設の電力供給の強靱化をめざしている。計画は今後、設計の改良、試験、環境審査、用地準備、規制部門との調整を経て進められる。ラディアント社は、米陸軍・海軍・空軍のすべてに選ばれた唯一の原子力企業であると強調。現在、アイダホ国立研究所(INL)内の国立原子炉イノベーションセンター(NRIC)が運営する「マイクロ炉実験機の実証(Demonstration of Microreactor Experiments: DOME)」テストベッドにおけるフルパワー試験に向けて準備中である。

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