原子力産業新聞

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秋の叙勲、元東北電力社長・高橋氏に旭日大綬章

04 Nov 2021

旭日大綬章を受章する高橋氏(写真は2008年に青森市で開催された環太平洋原子力会議〈PBNC〉にて)

政府は11月3日、秋の叙勲受章者を発表。原子力・エネルギー関連では、旭日大綬章を元東北電力社長の高橋宏明氏が受章することとなった。

高橋氏は、2005~10年に東北電力社長を務め、就任直後の2005年8月には宮城県南部地震が発生し、全基(1~3号機)停止となった女川原子力発電所の安全点検・再稼働に尽力。同3号機のプルサーマル計画(2010年1月に原子炉設置変更許可)では、地元の理解活動にも取り組んだ。また、2007年の北陸電力志賀1号機臨界事故発覚に端を発した全国発電所の総点検では、経営責任者として、「気付く」、「話す」、「直す」を3本柱とした保安教育の徹底など、同社行動計画の実行をリードした。同氏は現在、日本電気協会会長として技術基準、普及・啓発、情報発信の面で引き続き電気事業の発展に寄与している。

瑞宝重光章の坂田氏(2014年、原産協会にて)

瑞宝重光章には、元文部科学事務次官の坂田東一氏らが選ばれた。坂田氏は、中央省庁再編を前にした1999~2001年には旧科学技術庁の長官官房総務課長を、2009年の民主党政権発足時には文部科学事務次官をそれぞれ務め、各変革時における新たな文教・科学技術行政の基盤作り、推進で手腕を発揮。駐米日本大使館在任時、日米原子力協力協定改訂交渉に携わるなど、原子力政策に係る経験の豊富な同氏は、福島第一原子力発電所事故発生後の2011年に駐ウクライナ大使に就任し、日本からのチェルノブイリ調査団の対応にも当たった。

旭日中綬章には、元敦賀市長の河瀬一治氏らが選ばれた。1995~2015年に敦賀市長を務めた河瀬氏は、全国原子力発電所所在市町村協議会会長として、立地地域の立場から、原子力安全・防災対策の充実化や産業振興などに尽力。国の原子力長期計画策定審議にも関わった。

福島第一原子力発電所で所員を激励するケネディ氏(東京電力ホームページより引用)

外国人では、元駐日米国大使のキャロライン・ケネディ氏らが旭日大綬章を受章する。同氏は、2013~17年の駐日米国大使在任中、廃炉・除染技術に関する日米企業交流フォーラムに臨席するなど、東日本大震災からの復興支援を通じた日米間の関係強化にも寄与した。

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