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復興推進委、浜通り地域に整備する「国際教育研究拠点」で研究内容示す

19 Nov 2021

政府の復興推進委員会(委員長=伊藤元重・学習院大学国際社会科学部教授)は11月18日、「創造的復興の中核拠点」として福島県浜通り地域への整備を検討している「国際教育研究拠点」について、具体的な研究内容案を示した。〈復興庁発表資料は こちら

「国際教育研究拠点」は、新たな産業創出を目指す「福島イノベーション・コースト構想」とともに、浜通り地域の復興に向けて研究開発と人材育成の中核となる拠点を創設するもので、2020年12月に関係閣僚らからなる復興推進会議が報告書を取りまとめたのを受け、現在、年度内にも基本構想を策定すべく関係省庁や自治体などにより検討が進められている。

既に県内に立地している研究施設とも一体的な運用を図りつつ、同拠点には、研究開発と人材育成の機能を持たせ、研究分野としては、(1)ロボット、(2)農林水産業、(3)エネルギー、(4)放射線科学、(5)原子力災害に関するデータや知見の集積・発信――を想定。政府全体の科学技術・イノベーション政策との整合性も図りつつ具体化していく。

18日の委員会では、経済産業省、文部科学省、農林水産省がまとめた具体的研究内容のイメージを復興庁が整理。経産省は、CO2排出源のネガティブエミッション技術(炭素除去・植物固定など)の実証、ロボット・ドローン活用の高度化、空飛ぶクルマの開発、超大型X線CT装置による非破壊シミュレーションの他、IAEAと連携した廃炉研究者の育成などを提案。文科省からは、福島県立医科大学を軸とした次世代がん治療研究(RI医薬品開発)や、放射線医学人材育成などが提案された。

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