原子力産業新聞

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ムロオシステムズ カザフスタンの放射性廃棄物管理でF/S事業採択

09 Jul 2026

佐藤敦子

カザフスタン国立原子力センター(NNC)との協力覚書締結時の様子(2025年12月、東京都内)

ムロオシステムズはこのほど、経済産業省の「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・F/S事業)」に、カザフスタンにおける放射性廃棄物管理インフラの高度化に向けた実行可能性調査(F/S)が採択されたと発表した。同社の完全子会社で放射性廃棄物管理などを手がけるNUKEM社が技術実施を担う。

同事業は、グローバルサウス諸国での事業化に向け、実行可能性や採算性などを調査する取組みを支援するもの。今回のF/Sでは、カザフスタンにおいて低・中レベル放射性廃棄物を対象に、処理・中間貯蔵・デジタル管理を一体化した統合型インフラの実行可能性を調査する。年間数千トン規模の処理能力を想定した設備構成などについて検討するほか、移動式の汚染土壌修復技術「FREMES」の現地適用可能性についても検証する。

デジタル管理では、廃棄物の発生から処理、中間貯蔵までを一元的に追跡・記録する情報基盤を中核に、SCADA(監視制御システム)やAIを活用した異常兆候検知などを組み合わせ、安全性や運用効率の向上、IAEAの保障措置や規制報告への対応強化を図る考えだ。ムロオシステムズは、日本で培ったAIなどのデジタル技術と、NUKEMが持つ放射性廃棄物管理技術の融合をめざす。

ムロオシステムズは202512月、カザフスタン国立原子力センター(NNC)と使用済み燃料・放射性廃棄物管理分野での協力覚書(MOU)を締結している。今回のF/S採択は、こうした協力関係を具体的な事業化検討へ発展させる取組みとなる。

カザフスタンでは電力需要の増加と供給不足が顕在化しており、K.-J.トカエフ大統領は415日、2050年までの原子力産業の国家戦略を承認した。同戦略では、2050年までに少なくとも3サイトでの原子力発電所稼働を想定している。

同社によると、現地では発電所新設と並行して、放射性廃棄物の処理・中間貯蔵などバックエンド分野のインフラ整備に対するニーズも高まっているという。同社は、原子炉建設ではなく、放射性廃棄物管理分野で同国の原子力導入を支える考えだ。

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