原子力産業新聞

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増井理事長会見 行動指針案を評価 人材確保へ原子力産業セミナー開催

28 Jul 2026

深澤伊弦

増井秀企理事長

日本原子力産業協会の増井秀企理事長は7月24日、理事長会見を行い、記者団からの質疑に応じた。

増井理事長はまず、このほど公表した「今後の原子力政策の方向性と行動指針(案)」に対する意見提出(パブリックコメント)について説明。増井理事長は、これまで要望してきた①原子力発電の将来像として必要な設備容量と時期を中期と長期の段階で示すこと、②投資回収や融資制度を含め、事業者が投資判断できる事業環境を速やかに整備すること、③原子力人材基盤の維持強化を行動指針の柱として位置づけること、④新設に向けた設置許可申請以前のプロセスの明確化――が概ね反映されたと歓迎した。とりわけ、「2040年代までに最大5基、2050年代までに2040年代分を含め最大14基」と、建て替えに必要な設備容量の具体的な導入目標が2段階で示されたことを、「大変意義深い」と評価した。

続いて増井理事長は、人材確保の取組みについて説明。合同企業説明会「原子力産業セミナー」を来月から東京を皮切りに、大阪、仙台、福岡で順次開催すると紹介した。初開催となる仙台については、同セミナーへの関心の高まりに加え、会員企業の多くが人材確保を課題としていることから開催地に選定したとした。

また、増井理事長は人材の「確保」と「育成」の両面に取り組んでいると強調。原子力産業セミナーは人材確保の施策である一方、人材育成の施策として、学生向けの出前授業などエネルギー教育の実施や教員への理解促進、産官学連携による人材育成体制の構築などを進めていると述べた。さらに、産官学の司令塔機能の整備を進めており、9月末頃を目途に一定のとりまとめを行う予定であることも明らかにした。

会見後半、記者から米国での原子力事業について日本企業がオーナーとして参画する際の負担や政府に求める支援について問われた増井理事長は、米国では原子力発電所の所有者と運転事業者が分かれるケースがあり、電力会社が所有と運転を一括で行う日本とは仕組みが大きく異なると指摘した。そのうえで、日本企業がオーナーとして参画する場合には、事故時の責任範囲や負担の在り方を明確にする必要があると説明。自身が専門委員を務める原子力小委員会では、米国への大型投資は、日本企業にとって大きなビジネスチャンスである一方、事故時の責任や建設費が当初計画を上回った場合の追加負担などについて、日本企業に過大な負担が生じないよう制度設計を求めていると述べた。

そのほか、日本における80年運転の実現可能性について問われた増井理事長は、技術的には可能との認識を示した一方、実際の運転期間については個々のプラントにおける判断が必要であり、知見の蓄積と議論が必要との考えを示した。

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