専攻超えて原子力の仕事知る 学生100人超が交流
06 Aug 2026
専攻を問わず幅広い学生に原子力分野で働く人の姿を知ってもらおうと、日本原子力学会学生連絡会とWiN-Japanは8月4日、都内で学生向けセミナーを開催した。全国から現地・オンライン合わせて100人を超える学生が参加を申し込み、申込者の9割以上を原子力専攻以外の学生が占めた。
日本原子力学会学生連絡会では毎年、原子力学会の学生会員を対象に原子力施設の見学会などを実施してきた。今回は、原子力や放射線分野で働く女性の国際NGO「Women in Nuclear(WiN)」の日本支部、WiN-Japanとの共催を機に、原子力分野で働く女性との交流を企画。対象を原子力学会から広げ、専攻を問わず参加を呼びかけた。
セミナーを企画した福井大学大学院の川端佑依さんも、学部では物理学を専攻し、修士課程から原子力分野に進んだ。自身の経験から、原子力を専門としない学生にも業界を知る機会をつくりたいと考えたという。また、原子力業界に関心があっても、そこで女性が働けるのか不安を感じる学生は多いとして、女子学生にも積極的に参加を呼びかけた。
冒頭、WiN-Japanの石橋すおみ会長は「原子力の仕事は様々な分野の人で成り立っている。原子力に携わる女性のリアルを知ってほしい」と挨拶した。続いて、メーカー、電力会社、研究機関、行政などで働く女性5人が登壇し、それぞれの仕事内容や原子力分野に進んだ経緯、仕事のやりがいなどを紹介した。
内閣府で原子力分野の国際協力に携わる阿部幸子さんは薬学部出身。薬剤師免許を取得して文科省に入省し、原子力をはじめ科学技術行政に携わってきた。
阿部さんは、原子力について「決して古い、完成された技術ではなく、まだまだこの先がある分野」と話し、幅広い人材が必要だと強調した。さまざまな科学技術分野に携わってきた中でも、「私個人としては、原子力が一番、自分自身が世の中に貢献していると実感できる分野」と語る。原子力に携わる企業や研究者、学生を「同志」とし、「社会貢献をしていることが仕事のやりがいにつながっている。こういう思いで仕事をしている人を知り、職業選択の一つの参考にしてもらえたら」と呼びかけた。
参加した物理学専攻の学生は、以前からエネルギー問題に関心があり、原子力は解決策の一つと考えていたという。プラントメーカーの就職活動向けサイトを通じてイベントを知り、参加した。「皆さん、自立したかっこいい女性だった。見習いたい」と話し、原子力への関心がさらに高まったという。 機械工学を専攻する別の学生は、就職先を幅広く検討する中で参加。原子力について「リスクのある分野だと思っていた」としながらも、働く女性の話を聞いて「その中でのやりがいもあると感じた」と話した。





