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ベラルーシで2基目の商業炉が初臨界達成

28 Mar 2023

ベラルシアン原子力発電所 ©Rosatom

ロシアの原子力総合企業ロスアトム社の発表によると、同社の傘下企業がベラルーシで建設しているベラルシアン原子力発電所2号機(120kW級ロシア型PWRVVER-1200)が325日、初めて最小制御可能出力(MCP)レベルに到達した。

MCPレベルとは、原子炉が核分裂連鎖反応を安定した状態で維持する臨界条件に十分な1%未満の出力を指す。同国のA.ルカシェンコ大統領は今月6日にベラルシアン原子力発電所を視察した際、同機を4月にも国内送電網に接続する方針を表明。同日の国営ベルタ通信は、エネルギー省のV.カランケビッチ大臣が今年10月に同機の商業運転を開始すると述べたことを伝えている。

同機は今後、起動試験の最終段階に移行し、設計性能や物理的諸特性を確認、安全系や制御システム全体の信頼性もチェックする。これらの結果を規制当局に報告し、起動許可を取得した後は出力を徐々に上昇させていき、40%レベルで試験的に送電網に接続。4月から9月までの試運転期間中に、定格まで出力を上げていく計画である。

旧ソ連邦に属していたベラルーシはウクライナと国境を接しており、1986年のチョルノービリ原子力発電所事故では甚大な放射線被害を被った。しかし、エネルギー資源が乏しく1次エネルギーの8割を輸入に依存していることから、同国は1990年代後半に原子力の導入に関する実行可能性調査を実施していた。

同国初となるベラルシアン原子力発電所については、福島第一原子力発電所事故直後の2011315日、ルカシェンコ政権がロシアと政府間協定を締結、これに基づいて建設することになった。総工費の90%をカバーする100億ドルの低金利融資など、ロシア政府の全面的な支援を受けて201311月に1号機(VVER-1200)がベラルーシのフロドナ州オストロベツで本格着工した後、翌20144月には2号機の建設工事を開始した。 

1、2号機はともに、第3世代+(プラス)のVVER-1200 の最新モデル「AES-2006」を採用しており、ロスアトム社は同設計が国際原子力機関(IAEA)の求める安全要件や国際基準を満たしていると強調。動的と静的の2種類の安全系を備えており、コンクリート製の二重格納容器や、設計基準外事象の発生時に放射性物質の漏洩を防ぐコア・キャッチャーも装備している

1号機はすでに202011月に国内送電網に初めて接続され、20216月に同国初の商業炉として営業運転を開始した。ルカシェンコ大統領によると、同機はこれまでに125kWh以上発電するなど順調に稼働しており、電力供給の大部分をロシアからの輸入天然ガスに依存する同国で、30億m3以上の天然ガス利用を削減。同国が節約した天然ガスの輸入経費は、4億ドル以上にのぼっている。

(参照資料:ロスアトム社ベラルシアン原子力発電所の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNA327日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

 

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