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英国政府の世論調査で「CO2排出量実質ゼロ」の概念をある程度理解は35%

14 May 2020

英国のビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)は5月7日、四半期ごとに約4,000人の英国民を対象に実施しているエネルギーや地球温暖化に関する最新の世論調査で、CO2排出量「実質ゼロ(net zero)」の概念をある程度理解している層は35%と発表した。

英国では昨年6月、国内すべてのCO2排出量を2050年までに実質ゼロ目標とする法的拘束力のある法案が可決・成立しており、今年3月に実施した今回(33回目)の調査ではその認知度に関する質問項目が新たに加えられた。

その結果、インタビュー形式の質問を受けた大半(64%)の英国民がこの概念について「全く聞いたことがない」と回答。一方、認識があるとした35%のうち、3%が「非常によく知っている」、9%が「ある程度知っている」、13%が「少し知っている」、10%は「聞いたことならある」に分類されている。

各種のエネルギー源のなかで原子力を支持する人の割合は、42%だった2014年9月の調査以降、継続して減少傾向を示しており、今回は最も低いレベルの32%だった。「原子力を支持しない」人の割合が23%と安定しているのに対し、「原子力には反対も支持もしない」人の割合が2012年9月の調査(34%)以降、徐々に上昇。昨年3月に38%だった数値は今回、回答者の中で最も割合の大きい41%に増加していた。

地球温暖化に関する設問では、回答者の76%が懸念を表明したものの、昨年3月にピークだった80%からは若干減少。76%のうち「非常に心配」と答えた人は35%で、「ある程度心配」とした人の割合は41%だった。

また、回答者全体の約半数(47%)が「地球温暖化は人的活動に起因する」と回答。そのうち17%が「全面的に人的活動に起因する」としたのに対し、30%は「主に人的活動による」と答えており、最初にこの設問を加えて以降、最も高いレベルで推移中だとしている。

(参照資料:BEISの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

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