米ラスト・エナジー社 テキサスA&M大学でマイクロ炉実証へ
31 Oct 2025
米マイクロ炉開発企業ラスト・エナジー社は10月15日、テキサス州の州立大学群を統括するテキサスA&M大学システムと提携し、同システム傘下の応用研究キャンパス「テキサスA&M-RELLIS」敷地内にマイクロ炉「PWR-5」を設置し、共同研究を行うと発表した。同社にとって米国内で初のマイクロ炉の配備となる。
テキサスA&M大学システムは2024年11月、大学キャンパス近郊に位置する約9.7平方キロメートルの敷地を複数企業の小型原子炉の試験・建設に提供すると発表し、米原子力規制委員会(NRC)許認可手続きを開始した。プロジェクトにはこれまでケイロス・パワー、ナチュラ・リソース、テレストリアル・エナジー、アーロ・アトミックスの4社が参画。ラスト・エナジー社は5社目となる。
PWR-5は、同社の商用炉PWR-20(PWR 、2万kWe)と同一設計を採用し、出力を5000kWeにスケールダウンした実証モデル。来年夏の開始を目指して低出力臨界試験を実施し、その後送電網への接続や発電試験に移行する計画だ。同社はすでに大学と土地のリース契約を締結し、燃料も確保している。
PWR-20は米エネルギー省(DOE)が今年8月に開始した先端原子炉パイロットプログラム(AAP)の11炉型の一つ。モジュール設計で、工場生産から輸送、現地組立を24か月以内で完了できるという。2024年7月にはマイクロ炉開発企業として初めて英国での予備設計審査(PDR)を完了し、原子力サイト許可(NSL)の正式手続きを開始している。
ラスト・エナジー社のCEO、B.クーゲルマス氏は「燃料の確保、立地の確定、関連する認可も取得済みだ。マイクロ炉の実証に理想的な条件が整っている」と期待を寄せた。
同社は今年2月、テキサス州ハスケル郡で最大30基のマイクロ炉を建設する計画を発表し、事前サイト許可(ESP)の申請準備を進めている。この計画をはじめ、同社の商業契約の約半分はデータセンター向けだという。テキサスでの実証を足がかりに、商用炉の早期展開を目指す。











 
	 								 							 
	 								 							 
	 								 							