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米廃炉会社 閉鎖サイトでの新設に向けて許認可申請へ

30 Jan 2026

桜井久子

キウォーニ発電所 © EnergySolutions

米エナジー・ソリューションズ社は1月15日、同社が所有する旧キウォーニ原子力発電所(PWR59kWe)サイトにおいて、新規建設に向けた許認可申請の計画に関する意向通知書(Notice of Intent: NOI)を米原子力規制委員会(NRC)に提出したことを発表した。同社は米ユタ州を拠点に、原子力発電所の廃止措置や環境復旧サービスを手掛けている。現在、事前サイト許可、建設許可、または建設・運転一括認可の申請について評価中であり、20286月までに申請書を提出する意向を示している

ウィスコンシン州に立地するキウォーニ原子力発電所(PWR59kWe)は19746月に営業運転を開始、20135月に永久閉鎖された。エナジー・ソリューションズ社は20215月、同発電所の所有者兼運転者のドミニオン・エナジー社から、廃止措置の実施を目的に同発電所を買収。翌5月から主要な廃止措置・除染の作業を開始している。完了までに78年がかかると見込まれており、並行して新規建設の申請準備を進めるという。

同社は20255月、ウィスコンシン州を拠点に電力や天然ガスの供給を手掛ける同州最大の電力会社WECエナジー・グループ(WEC)と協力してキウォーニ・サイトでの新たな原子力発電の導入可能性の検討を開始することを明らかにし。現在、将来的な許認可申請を見据え、サイトの適合性を実証するため、WECとの連携の下、計画立案に加え、必要となる調査項目や範囲を整理するスコーピング活動、さらに詳細なサイト調査を含む、体系的かつ多段階の取り組みを進めている。

採用炉型については明らかにされていないが、エナジー・ソリューションズ社は2024年12月、米国に本社を置くカナダ発の原子力企業テレストリアル・エナジー社社と協力覚書を締結している。覚書で両社は、エナジー・ソリューションズ社が廃炉プロセスで取得した旧原子力発電所サイトにおいて、テレストリアル社が開発するSMRである一体型熔融塩炉(IMSR)の設置と展開の検討で協力することになっている。エナジー・ソリューションズ社は、キウォーニ原子力発電所のほか、ネブラスカ州フォートカルホーン発電所、カリフォルニア州サンオノフレ発電所、ペンシルベニア州スリーマイル・アイランド発電所2号機の廃止措置を実施中(同機はエネルギー・ソリューションズ社の傘下企業が所有)。ウィスコンシン州ラクロス発電所とイリノイ州ザイオン発電所の廃止措置作業はすでに完了している。

ウィスコンシン州では、データセンターによる電力需要の急増が見込まれており、超党派の州議会議員らが今後数年間にウィスコンシン州により多くの原子力発電を導入することを提唱。ウィスコンシン州議会上院は2025年5月、州の公共事業委員会に原子力発電の立地調査の指示を承認する法案を可決した。

ウィスコンシン州では、他にポイントビーチ原子力発電所1-2号機(PWR、各64万kWe)が1970年代から稼働しており、同州における原子力発電シェアは約15%(2024年実績)。両機は2025年9月、NRCから2度目の運転認可を得て、80年運転が可能になった。

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