コペンハーゲン・アトミクス社 熔融塩ポンプ2年連続運転達成
09 Mar 2026
デンマークの原子力技術開発企業、コペンハーゲン・アトミクス社は2月9日、同社施設で実施している熔融塩ポンプおよび試験ループの2年間の連続運転の達成を発表した。同社によると、高温熔融塩環境下での長期耐久試験としては世界最長級としている。同社が開発中の小型トリウム熔融塩炉(MSR)に不可欠な主要機器の信頼性を裏付け、商用化や将来の規制審査に向けた重要な節目となる。
同社は2010年代から熔融塩炉の開発を進め、2030年代初頭の商業展開を目指している。同社の原子炉はコンテナ型モジュールとして工場で製造され、1基あたり10万kWの熱出力を供給する設計。将来的に組立ライン方式による量産を想定し、1つの生産ラインで1日1基以上の製造を目標としている。2023年には英国の包括的設計審査(GDA)を申請しており、今回の長期連続運転実績は、こうした規制プロセスを見据えた技術的裏付けの一つとみられる。
熔融塩炉では、液体燃料または冷却材を600度超の高温で長期間循環させる必要があり、ポンプの長期安定運転の実証は設計の妥当性を確認する基礎となる。今回の試験は核分裂反応を伴わないものの、実機で想定される条件を再現した統合試験設備で実施し、データを蓄積してきたという。
また同社は2月19日、ノルウェーのレア・アース・ノルウェー社と基本合意書(LoI)を締結した。同社は欧州最大級のレアアース鉱床の一つとされるフェンスフェルテット鉱床の開発を進めている。同鉱床はレアアースとともにトリウムを含むことが知られており、合意は炉の燃料サイクルに関わるトリウム資源への将来的なアクセス確保を目的とする。
今回の基本合意書では、両社が技術、商業、規制面で協力する枠組みを定めている。フェンスフェルテット鉱床ではレアアース採掘に伴い副産物としてトリウムが発生する。同社はトリウム資源へのアクセス確保を図る一方、レアアース開発側にとっても資源の有効活用となる。





