インド高速増殖原型炉PFBR 初臨界を達成
08 Apr 2026
インド南部のタミルナドゥ州にあるカルパッカム原子力複合施設で、国産の高速増殖原型炉(PFBR)が4月6日、初臨界を達成した。完全に稼働すれば、インドはロシアに次いで、世界で2番目の商用高速増殖炉を運用する国となる。
PFBRは、原子力省(DAE)傘下のバラティヤ・ナビキヤ・ビデュト・ニガム(BHAVINI)が所有・運転する、出力50万kWeのナトリウム冷却高速増殖原型炉。DAE傘下の研究開発センターであるインディラ・ガンジー原子力研究センター(IGCAR)がPFBRの技術開発および設計を担当。2004年10月に着工、2024年3月に燃料装荷が開始された。
PFBRの初臨界により、インドは3段階からなる長期原子力発電計画の第2段階に入った。インドの原子力発電開発計画は、国内で豊富なトリウムを燃料とする「トリウム・サイクル」が開発初期からの一貫した基本方針。第1段階は従来の重水炉・軽水炉、第2段階は高速増殖炉、第3段階は改良型重水炉を基軸とする。
第2段階にあるPFBRはウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使用。PFBRの炉心はウラン238のブランケットに囲まれ、高速中性子は、核分裂しにくいウラン238を核分裂性のプルトニウム239に変換し、これにより原子炉は消費する燃料よりも多くの燃料を生産する。またPFBRは、将来的にはブランケットにトリウム232を使用するように設計されており、核変換により、トリウム232はウラン233に変換されて増殖し、これがインドの原子力計画の第3段階にある改良型重水炉(AHWR)の燃料に利用される。これにより、燃料資源の利用効率が大幅に向上し、限られたウラン埋蔵量からはるかに多くのエネルギーを引き出すことが可能になる。またPFBRにより、使用済み燃料を再利用するクローズド・サイクルが完成するため、持続可能性が向上し、廃棄物の減容や有害度を低減し、大規模な地層処分施設の必要性を回避できるという。
高速増殖炉は現在の加圧重水炉群と将来のトリウム系原子炉の導入との間のつなぎとして重要であり、将来的には同国の豊富なトリウム資源を活用して長期的なクリーンエネルギー発電を実現していく方針である。





