原子力産業新聞

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ニュークレオ LFRで米国参入へ

10 Apr 2026

桜井久子

© newcleo/ X

仏パリに拠点を置く先進炉開発企業のニュークレオ社は3月25日、米国における鉛冷却高速炉(LFR、48万kWt)および関連するMOX燃料製造施設の設置に係る将来的な許認可取得に向け、米原子力規制委員会(NRC)との事前申請の協議(pre-application engagement)を開始したと発表した。同社はこれに先立ち、2月下旬に意向書(Letter of Intent)を提出しており、今回の協議開始は米国市場参入に向けた規制プロセスへの本格的な着手となる。

今回の協議は、LFRおよび燃料製造施設の設計や安全アプローチについて、NRCとの認識を早期にすり合わせるとともに、核物質の保有・使用・輸送を含む将来の許認可申請に向けた規制戦略の明確化を図るもの。事前段階から規制当局と対話を重ねることで、審査の予見可能性を高める狙いがある。

鉛冷却高速炉は、冷却材に鉛を用いる第4世代炉の一つで、ナトリウム冷却炉と比べて化学的安定性が高いとされる。一方で、NRCにとって鉛冷却技術の審査経験は限られており、今後の審査は長期化する可能性がある。今回の取り組みは、将来的なLFRの許認可に向けた先例となる可能性もある。

ニュークレオは欧州でも開発を進めており、フランス中部では出力3kWe級の原型炉「LFR-AS-30」の建設を計画、2032年までの稼働を目指している。また、同炉の燃料となるMOX燃料製造施設についてもフランス国内での整備を構想している。

なお、今回の動きは、ニュークレオ社と米国の先進炉・燃料サイクル開発企業オクロ(Oklo)社との戦略的パートナーシップの一環。ニュークレオ社は2025年10月、オクロ社が開発する発電所向けに、米国内での先進燃料製造・供給インフラ開発に関する共同契約を締結、最大20億ドル規模を投資する計画を発表しており、NRCとの早期協議を通じて、米国でのプロジェクトの許認可取得に向けて規制の予見可能性を高めていく方針である。

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