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米テラパワー 韓国企業とNatrium炉量産体制構築へ

04 Jun 2026

桜井久子

(向かって左から)HIIのK. ウォン副社長、テラパワーのC. レベスクCEO、HDECのY. チョイ副社長

米テラパワー社は519日、同社が開発するNatrium炉および併設するエネルギー貯蔵プラントの迅速な商用化と展開に向けて、韓国のHD現代ならびにHD現代建設(HDEC)と契約を締結した。

HD現代との供給枠組み契約では、その傘下にあるHD現代重工業(HHI)をNatrium炉の原子炉格納構造物(Reactor Enclosure System, RES)の優先製造者に指定。大規模製造能力や精密加工技術を有するHHIを戦略的製造パートナーとし、将来のNatrium炉の量産に対応できる供給体制を構築したい考え。また、HD現代に加え、国内外で大型炉の豊富な建設実績を有するHDECを含む3者間契約を締結し、Natrium炉の複数炉展開、製造、サプライチェーン、建設、事業スキームの構築までを含む包括的な協力を進める方針。部品供給だけではなく、複数炉のフリート展開や資金調達の仕組みづくりまで視野に入れている。

HD現代は2022年の3,000万ドルの投資を皮切りに、Natrium炉の技術開発に共同で関与し、米ワイオミング州でテラパワー社が建設中のケンメラー発電所初号機の原子炉容器の製造やサプライチェーンの拡大に取組むなど、協力を強化している。テラパワー社は、米国の先進技術と韓国の製造・建設能力を結び付けることで、先進炉の本格展開へ向けた新たな段階に入る、と期待感を表明。HD現代も、今回の提携を世界の原子力市場への本格参入に向けた重要な足掛かりと位置付け、原子炉機器の安定供給と量産体制の確立を目指す考えを示した。

Natrium炉は34.5kWeのナトリウム冷却高速炉。熔融塩蓄熱システムを併設し、通常時は安定した出力を維持しながら、需要のピーク時には迅速に50.0kWeまで増強できる。ケンメラー発電所の初号機は2030年に完成予定。20261月にはIT大手のMeta社と、2035年までに最大8基の導入に向けた開発支援契約を締結。また20262月には、英国における包括的設計審査(GDA)が開始されており、海外展開も進みつつある。今回の提携により、テラパワー社は米国で建設中の初号機を起点に、韓国企業の製造・建設能力を活用しながら将来的なフリート展開を見据えた供給体制の構築を進める考えだ。

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