ウレンコUSA 濃縮能力を大幅増強へ
12 Jun 2026
ウラン濃縮会社のウレンコUSA社は6月2日、米国ニューメキシコ州ユーニスにある同国唯一の商業用ウラン濃縮施設の生産能力を約50%拡張する計画を明らかにした。数十億ドルを投資し、新たに遠心分離式の濃縮プラント施設を建設、カスケード最大24基、2,100 tSWU/年の生産能力を追加する。2032年から順次稼働し、2036年までの完成をめざす。
既存の濃縮プラントの生産能力は4,300tSWU/年で、米国の濃縮ウラン需要の約1/3を占める。現在、700 tSWU/年の拡張プロジェクトも進行中で、2027年に完了予定。今回の拡張計画と併せると、2030年代には生産能力が7,000 tSWU/年以上となる見込みである。米国での拡張計画は、ウレンコ社がオランダ、ドイツで所有・操業する濃縮プラントの拡張計画と併せ、合計4,600 tSWU/年を拡張するプログラムの一環。
今回の計画は、米国で原子力発電の利用拡大が進む中、原子燃料の安定供給体制を強化し、海外、とりわけロシアへの依存低減を目的としている。また、既存の軽水炉向け低濃縮ウラン(LEU)だけでなく、将来の先進炉向け燃料需要にも対応できる体制を整えたい考えだ。
米国では、今後拡大する原子力発電向け燃料需要やエネルギー安全保障への対応を目的に、低濃縮ウラン(LEU)の供給能力の増強など、国内燃料サプライチェーンの再構築をめざす動きが本格化している。
一例として、仏オラノUSA社は50億ドルを投資し、米国テネシー州オークリッジに遠心分離方式によるウラン濃縮工場「Project IKE」の建設を計画中で、初期の生産能力は4,000 tSWU/年を見込んでいる。同社は2026年3月に米原子力規制委員会(NRC)に建設・操業認可を申請し、NRCは5月21日、これを受理。NRCは、2025年5月の「NRC改革に関する大統領令」に従い、通常より短い12か月で審査する方針を示している。
なお、オラノUSA社は2025年1月、米エネルギー省(DOE)より、国内のウラン濃縮能力強化を目的とする9億ドルの助成の対象に選定されているほか、テネシー州の原子力基金からも支援を受けている。





