米パリセード 運転再開の準備が最終段階に
15 Jul 2026
米ホルテック・インターナショナル社は7月2日、ミシガン州南西部にあるパリセード原子力発電所(PWR, 85.7万kW)の運転再開プロジェクトが大きな節目を迎えたと発表した。主要な改修・更新工事はすべて完了し、現在は保守点検や各種試験、検査、運転準備など最終段階の作業へ移行。運転開始に向けた仕上げのフェーズに入ったとしている。ホルテック社は、長期にわたり安全かつ安定して運転できる準備が整った時点で運転再開すると説明しており、具体的な運転開始予定日は示していない。
最終段階において、タービン・発電機を大規模点検・補修後にターニングギアで低速回転させる段階への移行、新型燃料取扱機の据付・試験完了などを達成。また、原子炉圧力容器の検査、原子炉容器上蓋の重要機器の交換、原子炉冷却系の配管内部の化学洗浄や腐食防止処理、蒸気発生器の熱交換管の補修と内部洗浄、新燃料の受入れ・検査に加え、運転員の再教育・再資格取得など、運転再開に必要な重要工事や準備を完了した。当初は2025年末~2026年初めにかけて送電開始を予定していたが、大がかりな工事により運転再開は遅延している。
今後は運転指令センター(OCC)が中心となり、安全な起動に向けて、24時間体制で残る試験や確認作業を進めていくとしている。米原子力規制委員会(NRC)は2025年7月、技術審査を完了し運転再開に必要な主要許認可および規制措置を承認したが、原子炉を起動するには、最終的な試験や点検、保守を終え、NRCの検査・監督により、すべてが安全基準を満たしていると確認される必要がある。
パリセード発電所は1971年に営業運転を開始。2022年5月の永久閉鎖後、翌6月に当時の所有・運転者であったエンタジー社からホルテック社に売却された。当初は廃止措置を前提とした取得だったが、脱炭素化の動きや新たに電力販売契約が成立したことなどにより採算性の見通しが立ち、方針を転換。ホルテック社は運転再開に向けた整備作業を進めるにあたり、米エネルギー省(DOE)から最大15.2億ドル(約2,400億円)の融資保証や州政府の支援を受けている。NRC委員や超党派の議員代表団も視察に訪れるなど、運転再開への関心も高い。
ホルテック社は、すべての連邦規制要件と業界基準を満たしたうえで、運転再開を目指すとしており、このプロジェクトは米国初の商業炉の運転再開事例として、今後のモデルケースになると期待を示している。





