スウェーデン 旧バーセベック発電所サイトに2基新設を計画
24 Jun 2026
スウェーデンの新興原子力開発会社のノルディック・ベースロード・パワー(NBP)社は6月16日、政府に対し、マルメ郊外にあるバーセベック原子力発電所サイトに沸騰水型炉BWR-N×2基(合計約250万kWe)の建設にむけて政府承認と国家補助申請を提出した。本申請により、2025年8月に施行された新規原子力発電プロジェクト向けの国家補助制度に基づく補助申請は4件目となった。
NBP社によると、BWR-N(Boiling Water Reactor – Nordic)はスウェーデンやフィンランドにおけるBWRの数十年にわたる運転実績を基盤に、実証済みの技術と最新の安全システム、デジタル監視、最新の運用要件を組み合わせた原子炉設計。両機による年間発電電力量は約200億kWhと見込まれ、スウェーデン南部における電力不足に対応する。
またBWR-N向けのサイト面積は従来のBWRより大幅に小さいとされる。バーセベック・サイトには、新規建設のためにすでに承認された区画があり、許認可手続きの大幅な短縮と規制上の不確実性の軽減を見込んでいる。バーセベック原子力発電所(BWR×2基, 各60万kWe級)では1号機が1999年、2号機が2005年に閉鎖され、現在、廃止措置中である。同地域では、既存インフラやBWRの専門知識、住民理解もあり、必要な許認可が2029年までに発給されれば、初号機を2035年以前の稼働も可能と予測する。
なお、NBP社からの申請を含め、政府がこれまでに受理した国家補助申請は合計4件。本制度を担当するN. ウィクマン金融市場大臣は「スウェーデンには、より安定した電力供給が必要。新規原子力発電への投資に対する関心が引き続き高いことは喜ばしい」と述べた。他の3件の申請は以下のとおり。いずれも小型モジュール炉(SMR)または先進モジュール炉(AMR)を採用している。
- 2025年12月: 新規原子力発電プロジェクト会社ビデバーグ・クラフト社が実施。建設サイトは既存のリングハルス原子力発電所の隣接サイト。今年6月に英ロールス・ロイスSMR×3基、合計出力計約150万kWeの採用を選定。
- 2026年6月: 先進炉開発企業であるブリカラ社が実施。建設サイトはイェヴレ市のノルスンデット。同社製AMRの鉛冷却高速炉(SEALER)×6基、計33万kWeを設置する計画。
- 2026年6月: 原子力技術サービス企業スタズビック社が実施。建設サイトは同国南部ニショーピングおよびヴァルデマルスヴィークにおけるプロジェクト。1つはニショーピング市にあり、軽水炉型SMR×2~4基、合計出力約60〜140万kWe、2つ目は南部ヴァルデマルスヴィークに軽水炉型SMR×4~6基、合計出力約120〜160万kWeを設置する計画。スタズビック社は最終的にいずれかを選択予定。
スウェーデン国内で新規建設を希望する企業に対する国家補助は、政府融資(国家保証付き融資)と差金決済取引(Contract for Difference, CfD)の2通りで行われ、最低限の収益を保証する代わりに、過大な利益も制限する仕組み。政府融資は、新規炉の設計業務、建設、試運転、その他の準備作業を対象とし、CfDは、運転開始後の発電事業に対して適用される。政府支援には上限があり、合計約500万kWe規模、およそ大型炉4基分に相当する。申請書が政府に提出された後、財務省内の新規原子力発電資金調達事務局が審査。政府と企業が支援条件を交渉後、EUの国家補助規制との整合性が審査され、最終的に支援可否が決定される。





