原子力産業新聞

海外NEWS

スウェーデンでSMR計画拡大 Studsvikが新規建設申請

03 Jun 2026

桜井久子

© Studsvik

スウェーデンの原子力技術サービス企業スタズビック(Studsvik)社は5月25日、同国南部ニショーピング(Nyköping)の自社原子力サイトおよび周辺地域に、合計出力60万~140万kWe規模の原子力発電所を建設する計画を政府に申請した。2030年代の初号機運転開始を目指す。同国では電力需要の増加や既設原子力発電所の老朽化を背景に、新規原子力建設に向けた動きが活発化しており、SMRを中心とした複数の計画が進展している。

今回の申請についてスタズビック社は、長期にわたる許認可プロセスの第一段階に過ぎないと強調。今後は土地・環境裁判所やスウェーデン放射線安全局(SSM)による審査に加え、自治体の承認も必要となる。

同社は今年5月、SMR開発企業シャーンフル・ネキスト(Kärnfull Next, KNXT)社を買収しており、今回の計画は同社グループが進める「ReFirmプログラム」の一環に位置付けられる。3月にはKNXT社が南部ヴァルデマルスヴィークで30万kW級SMRを4~6基建設する計画を申請しており、スタズビック・グループとしては2件目の新規建設申請となった。

スウェーデンでは、鉄鋼や化学産業の電化に加え、データセンター需要の増加により電力需要の拡大が見込まれている。一方、現在の電力供給を支える既設原子力発電所の多くは今世紀半ばに運転寿命を迎えるとされ、新たなベースロード電源の確保が課題となっている。

こうした状況を受け、同国政府は5月、新規原子力発電設備約500万kWの建設を支援するため、総額2,200億スウェーデンクローナ(約3.8兆円)規模の融資制度とCfD(差金決済取引)制度を導入した。

また、国営電力会社バッテンフォール(Vattenfall)が進めるSMR計画や、先進炉開発企業ブリカラ(Blykalla)による鉛冷却高速炉「SEALER」の建設計画なども申請段階に入っており、スウェーデンでは新規原子力建設に向けた動きが加速している。

 

cooperation