フィンランド フォータムがロビーサの長期運転でGoogleとPPA締結
14 Sep 2026
フィンランドの電力会社フォータム(Fortum)社は9月9日、同社が運転するロビーサ原子力発電所(VVER-440×2基、各51.3万kWe)の長期運転を支える電力購入契約(PPA)を、米IT大手Google社と締結した。
PPAは22年間にわたる。2028年に小規模で始まり、2030年から2049年にかけてロビーサの発電設備容量の最大50%に相当する規模に拡大。フォータム社は長期の収益確実性を得ることで、同発電所の2050年までの運転継続に必要な投資を進めやすくなるとしている。なお、同発電所の運転認可は2050年末まで延長済みである。
ロビーサ発電所1-2号機は、それぞれ1977年、1981年に営業運転を開始。フォータム社は同発電所の運転期間延長に向けて、約10億ユーロ(1,782億円)の投資計画を進めているが、必要なプロジェクトの約80%、金額にして7億ユーロ(1,247億円)については、投資決定が行われていない。PPAはこれらの投資を支える収益基盤となるほか、2028年に予定される3.8万kWeの出力増強に加え、さらに1万kWeの出力増強を可能にするとしている。ロビーサ発電所は現在、フィンランドの電力需要の約10%を供給しており、2050年までの運転継続によって、脱炭素電源の維持と電力系統の安定化にも寄与するとしている。
両社はさらに、新たな発電設備や蓄電システムなどの柔軟な電力設備を共同検討するための覚書も締結。まず、Google社はカヤーニのデータセンター隣接地に9.4万kWeのバッテリー蓄電システムを設置し、フォータム社がその運用最適化を担う。またロビーサ・サイトでの新規建設を視野に、需要や共同投資、リスク分担などを含め、競争力のある事業モデルを検討することとしている。
Google社は、南部のハミナでデータセンターを運営するなど、過去15年間にわたりフィンランドで事業を展開している。2027~2028年にはハミナに加え、北部のムホス、ヴァーラ、カヤーニでのデータセンターや関連インフラ、クリーンエネルギープロジェクト、地域とのパートナーシップ活動に130億ユーロ(約2.3兆円)を投資する計画も発表。Google社にとって欧州最大規模の投資案件である。AIやデータセンターによる電力需要の増加に伴い、低炭素電源への需要も高まるとみられている。
フォータム社のM. ラウラモCEOは、「Google社との長期的なパートナーシップは、電力価格が大きく変動し、将来の見通しが立ちにくい現在の市場環境において特に重要。長期契約によって収入や需要の見通しが立ち、低炭素電源への投資やエネルギー安全保障の強化が進めやすくなる。データセンターなどのデジタル・産業分野への投資を呼び込み、フィンランドの雇用やイノベーションにもつながる」と今回のPPA締結の意義を強調した。





