原子力産業新聞

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大西洋横断の原子力コンテナ船航路 運航要件を検討へ

15 Sep 2026

桜井久子

© @lloydsregister/ X

英国のロイド船級協会(LR)、デンマークのコンテナ船大手のA.P. モラー・マースク(Maersk)社、米国東海岸のチャールストン港、英国最大のコンテナ港フェリクストウ港は9月2日、将来の米英間における原子力コンテナ船の運航を想定し、運航、セキュリティ、保障措置などの要件を検討する「ピンク・コリドー(Pink Corridor)」[1]エネルギー分野で原子力発電を示す色として「ピンク」を使用していることに因む。プロジェクトを開始すると発表した。同プロジェクトは、将来、関係者が原子力商船の航路を検討する場合に、実務上の要件や制度上の空白、さらに今後必要となる作業を理解できるよう支援することを目的としている。

海事業界では、一定の技術的・安全上の前提を満たした原子力船が港に寄港する際、主要な障壁は技術そのものより、規制・責任体制・保険・港湾手続きなどの制度整備にあるとされる。本プロジェクトの成果を将来の規制策定につなげ、大西洋横断の商業海運における原子力利用の安全かつ確実な導入を支援したい考えだ。

同プロジェクトの初期段階では、米チャールストン港と英フェリクストウ港間の仮想航路を航行する原子力コンテナ船を想定し、両港への入港や運航に必要となる要件について、船舶のセキュリティ、保障措置、サイバーレジリエンス、緊急時対応、保険制度、海事規制と原子力規制の整合性などの観点から検討する。初期段階の成果を踏まえ、原子力商船に関する工学、規制、法制度、セキュリティー、保障措置の枠組みにおいて、さらなる検討が必要な分野を含め、続く第2段階の実施範囲を決定していく方針である。なお、本プロジェクトは構想段階であり、船舶の設計や就航スケジュールは未定である。

米英両国は20259月に、科学技術・産業分野の包括的な協力枠組である「Technology Prosperity Deal, TPD」を締結。これにより、両国がAI、量子コンピューティング、原子力分野における協力拡大をめざす中、「ピンク・コリドー」プロジェクトを通じて、航路の開拓を含む、民生用海事における原子力利用の検討に向けた二国間の取組みを支えることが期待されている。

脚注

脚注
1 エネルギー分野で原子力発電を示す色として「ピンク」を使用していることに因む。

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