原子力産業新聞

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ポーランド 第2原子力発電所建設に向け役割分担で合意

22 Oct 2026

桜井久子

エネルギー省、PEJ、PGEが合意書に調印 © PEJ

ポーランドのエネルギー省、国営原子力事業者のポーランド原子力発電会社(PEJ)および国営エネルギーグループ(PGE)は10月13日、第2原子力発電所(EJ2)プロジェクトの実施に向けて役割分担と協力原則に合意した。PEJがEJ2プロジェクトの投資家兼コーディネーターとなり、PGEは原子炉ベンダー候補と協力して立地分析や予備的な実現可能性調査を行う。合意書には、エネルギー省のW. ヴロースナ国務長官兼戦略エネルギー・インフラ担当政府全権代表と、PEJ、PGEの代表が合意書に調印した。

これを受け、M. モティカ・エネルギー相は、「原子力発電は国の安全保障にとって戦略的に重要であり、自国の危機に対する耐性を強化し、海外依存度を低減させるもの。我が国は第1原子力発電所(EJ1)プロジェクトから継続して、国内企業の育成に重点を置いている」と強調。一方、ヴロースナ長官は、「この合意を機に、PEJとPGEの役割分担が明確になり、両社の専門性の活用が可能になる。今後の立地調査や実現可能性調査、炉型選定にあたり、技術だけでなく資金調達や長期的な戦略的協力も考慮したプロセスを競争的な形で進め、事業の実施に有利な条件を整えていく」と述べた。

合意文書には9月29日に閣議決定された、ポーランド原子力発電プログラム(PPEJ)改定版の指針が織り込まれ、EJ2プロジェクトの準備における両社の役割を以下のように示している。

  • PEJ – プロジェクトの調整および投資主体としての準備
  • PGE – 原子炉ベンダー候補と共同で予備的な実現可能性調査を実施するとともに、PEJのために候補地の必要な分析を実施

EJ2の建設にあたり、PEJがEJ1プロジェクトを通じて得た知見とPGEのリソースや経験を効果的に活用し、政府・行政レベルでの調整を通じて、投資準備を円滑に進めていく方針である。

EJ2プロジェクトは現在、原子炉ベンダーと主契約者の選定に向けて、米国、フランス、カナダの事業者との協議が進行中である。EJ1と同様、実績のある第3世代+(プラス)の大型水冷却炉が検討対象となっており、技術や資金調達、幅広い戦略的協力事項を含む包括的な提案を選定するとしている。

PPEJに基づくEJ2プロジェクトの主な段階は、以下の通り。

  • 2027年 – 原子炉ベンダーおよび主契約者選定の予定
  • 2032年頃 – 着工予定
  • 2040年頃 – 初号機の稼働開始予定

EJ2の候補地としては、石炭火力発電所のある同国中央部のベウハトフ地区やコニン地区の2か所が検討されており、投資可能性の確認に必要な調査・分析を実施した上で最終決定される。

■EJ1建設プロジェクトの進捗

PEJは、同国北部のポモージェ県ホチェボ自治体内のルビアトボ-コパリノで、ポーランド初となる原子力発電所(EJ1)プロジェクトを実施している。EJ1発電所は、米ウェスチングハウス(WE)社製AP1000×3基、合計出力375万kWeで構成される。2028年の着工、初号機の営業運転開始は2036年を予定している。1,200万世帯以上の電力需要を賄い、ポーランドのエネルギー転換を支える柱の一つとなる。

PEJは10月8日、WE社に対し、EJ1初号機について長納期品の調達開始を指示した。対象はAP1000の原子炉格納容器や関連構造モジュールなど、原子力部(Nuclear Island)の6主要機器・構造物。製造に長期間を要する機器などを早期に確保し、建設工程の遅延リスクを回避することが目的。

10月13日にはWE社は、初号機の安全関連モジュールの製造に向け、ポーランド企業4社と条件付きで購入発注書を発行した。それぞれ格納容器内燃料交換用の水貯蔵タンク関連モジュールや、格納容器建屋内の壁・床を構成するモジュールなどの製造を担当。原子力施設向け品質保証規格NQA-1への適合認証の取得や試作モジュールの製造などで、原子力安全関連の製造に必要な各社の能力が確認され次第、正式な発注に進む方針。ポーランド企業の技術力を育成・活用するとともに、将来的には同国の製造業をAP1000向けの国際的なサプライチェーンに組込みたい考えだ。

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