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仏規制当局、フラマンビル3号機建設サイトへの燃料搬入を許可 

14 Oct 2020

手前がフラマンビル3号機©EDF

仏国の原子力安全規制当局(ASN)は10月8日、フランス電力(EDF)が北西部シェルブールの近郊で建設中のフラマンビル原子力発電所3号機(163万kWのPWR)(FL3)について、敷地内への初装荷燃料の搬入を許可したと発表した。

2007年12月に本格着工した同炉では、フラマトム社製の第3世代設計「欧州加圧水型炉(EPR)」を仏国内で初めて採用。初号機ゆえの土木エンジニアリング作業見直しのほか、原子炉容器の鋼材組成異常や2次系配管溶接部の品質上の欠陥等により完成は大幅に遅れている。

EDFが当初予定していた同炉の運転開始は2012年だが、同炉では今年2月にようやく温態機能試験が完了した。昨年10月時点のEDFの最新スケジュールによると、同炉への燃料装荷は2022年末になる見通しで、送電開始は2023年になると見られている。また、EDFはこの時、溶接部の修理にロボットを使うため建設コストは15億ユーロ(約1,856億円)増加して124億ユーロ(約1兆5,345億円)になるとの見積結果を明らかにしている。

今回の発表によると、ASNは同発電所での燃料の受け入れに際し、その取り扱いや特設プールへの貯蔵作業など、事業者の準備ができているかについて8月18日と19日の両日に点検を実施。関係機器の設置状況や事業者の準備体勢は満足のいくものだったとした。また、この燃料を落下させてしまった場合に放射性物質の放出というリスクが発生するが、このような事故を防ぐ対策をEDFが取っているため影響は限定的だと述べた。ASNはこのほか、特定のフィルター装置について放射性ガスを使った効率性試験の実施をEDFに許可している。

このような事項に関するASNの決定案はすでに公開協議にかけられており、関係するEDFの申請資料も8月末から9月21日までの期間、一般に公開された。FL3に実際に燃料を装荷する際も、ASNによる事前の承認と公開協議の実施が必要である。

(参照資料:ASNの発表資料(仏語)、原産新聞・海外ニュース、ほか)

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