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スウェーデンの自治体、使用済燃料処分場の受け入れを改めて表明

16 Oct 2020

最終処分場の構造図©SKB

スウェーデンの原子力発電所から出る使用済燃料について、最終処分場の建設が予定されているエストハンマルの自治体は10月13日、議会で実施した票決により同処分場の立地と建設を受け入れると改めて表明した。

同処分システムの一部となる集中中間貯蔵施設とその中の使用済燃料をキャニスターに封入する施設(CLINK)の建設についても、サイトとなるオスカーシャムの自治体が2018年6月に同様の票決を実施。建設承認を表明済みであり、後はスウェーデン政府による建設許可発給の最終判断を待つのみとなった。

スウェーデンでは地下500mの結晶質岩盤に使用済燃料を直接処分することになっており、放射性廃棄物処分事業の実施主体であるスウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB)は2009年6月、最終処分場の建設でフィージビリティ調査を実施した自治体の中から、エストハンマルにあるフォルスマルク原子力発電所の近接エリアを建設サイト候補に決定。2011年3月には、同処分場を立地・建設するための許可申請書を放射線安全庁(SSM)等に提出した。SSMが原子力法に照らしてこの申請の安全面や放射線防護面を審査する一方、国土環境裁判所は環境法に照らして環境影響面の審査を実施。SSMは2018年1月、処分場の建設許可を発給するようスウェーデン政府に勧告する最終見解を表明していた。

エストハンマル自治体の今回の票決は環境法に規定された拒否権の行使に関するもので、政府がこの種の施設の建設で許可を発給する前に、自治体は拒否権を行使する可能性について確認することになっている。13日の票決では、エストハンマルの自治体議員のうち38名が建設を支持する一方、7名が反対、3名が棄権していた。同自治体は1995年にフィージビリティ調査を受け入れて以降、25年以上にわたって建設サイトの選定プロセスに積極的に参加しており、処分場の立地にともなう社会的影響や処分技術の開発動向など幅広い分野の学習を続けている。

同自治体が処分場建設に同意したことについてSKBは、「歴史的な決定であり、政府からは出来るだけ早急に回答を受け取りたい」と表明。処分場建設に向けた政府の判断は、スウェーデンの環境保全上最も重要かつ最大規模のプロジェクトの出発点となり、約190億クローナ(約2,250億円)の投資をもたらすとともに約1,500名分の雇用機会が創出されるとしている。

(参照資料:エストハンマル自治体(スウェーデン語)SKBの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの10月14日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

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