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インドのL&T社、ロシア製クダンクラム5、6号機の土木建築契約を獲得

19 Feb 2021

2014年と2017年に営業運転を開始したクダンクラム1、2号機 © Atomstroyexport JSC

インドの大手エンジニアリング・建設企業であるラーセン&トゥブロ(L&T)社は2月18日、同国の南端タミルナドゥ州のクダンクラム原子力発電所で建設が計画されている5、6号機の土木建築工事契約を、インド原子力発電公社(NPCIL)から獲得した。

ボンベイ証券取引所に対するL&T社の同日付申告文書で明らかになったもの。正確な契約金額は公表していないが、プロジェクト規模の分類では「最大級」の100億ルピー~250億ルピー(約145億~364億円)に相当すると明記している。

インドの商業炉は低出力の国産加圧重水炉(PHWR)が主流だが、クダンクラム原子力発電所では現在、同国で唯一の大型軽水炉が稼働(1、2号機)・建設(3、4号機)中である。これらはすべてロシア国営の原子力企業ロスアトム社が建設した100万kWのロシア型PWR(VVER)で、III期工事に相当する5、6号機についてもインドとロシアの両国政府は2017年6月、100万kW級VVER設計を採用して建設することで合意、一般枠組み協定(GFA)とプロジェクトの実施に必要な政府間信用議定書に調印した。

同年7月には、NPCILがロスアトム社傘下のアトムストロイエクスポルト社と5、6号機の主要機器の設計・製造契約に調印。両炉の本格着工に先立ち、機器の調達手続きが始まったもので、建設プロジェクトは実質的に具体的な実施段階に移行していた。

L&T社が請け負った建設工事は、5、6号機の原子炉建屋と補助建屋、タービン建屋、ディーゼル発電機棟、およびその他の安全性関係構造物で、工期は64か月を予定。同社は現在建設中の3、4号機についても、同様の土木建築工事を請け負っている。2017年に相次いで着工したこれら2基は、2023年末までに運転開始予定となっている一方、5、6号機に関しては今年後半に着工後、2030年までに運転を開始できると見込まれている。

(参照資料:ボンベイ証券取引所の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの2月19日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

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