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仏フラマトム社、米原子力発電所の長期運転を支援

08 Apr 2021

ノースアナ原子力発電所 ©Dominion Energy

仏国のフラマトム社は4月6日、米ドミニオン・エナジー社と数百万ドル規模のメンテナンス契約を締結した。ドミニオン社が所有/運転する原子力発電所の長期運転(LTO)を支援するため、燃料交換や保守点検作業を2026年まで請け負う。フラマトム社が同様の業務を提供した米国の原子力プラントは、2020年だけで39にのぼっている

ドミニオン社は2018年10月、バージニア州のサリー原子力発電所(90万kW級PWR×2基)について2回目の運転期間延長を申請しており、原子力規制委員会(NRC)が現在審査中。NRCは2020年3月に安全性評価報告書(SER)の最終版を、4月に環境影響声明書(EIS)の最終版を発行しており、最終承認した場合、同1、2号機は2052年と2053年までそれぞれ80年間、同州内の顧客に適正価格の電力を供給することになる。

同社はまた、同じバージニア州内のノースアナ原子力発電所(100万kW級PWR×2基)についても2020年8月に2回目の運転期間延長を申請。1978年と1980年に運転開始した同1、2号機を、それぞれ2058年と2060年まで長期運転する方針だ。同社はさらに、コネチカット州で操業するミルストン原子力発電所の2基(それぞれ90万kW級と130万kW級のPWR)についても、2017年に2回目の運転期間延長を申請する可能性を示唆していた。

こうしたドミニオン社の運転期間延長計画を支援するため、フラマトム社はバージニア州の従業員1,100名あまりを今後5年にわたって動員する。フラマトム社は2020年6月、同州を本拠地とするBWXテクノロジーズ社から商業用原子力発電所向けのサービス事業を買収。これにともない、蒸気発生器関係の点検・メンテナンス機器や工具類が拡充されたため、これらを活用していく考えだ。

同社はまた、今回新たに2024年までサウスカロライナ州のV.C.サマー原子力発電所(100万kW級PWR)で燃料交換を実施するほか、サリー、ノースアナ、ミルストンの3発電所に関しては既存の燃料交換契約を延長する。これらに加えて、同社はサリー、V.C.サマーの両発電所に対して2023年まで10年毎の供用期間中検査を実施、電力研究所(EPRI)が機器の劣化管理プログラムで定めた「PWR炉内構造物の点検と評価ガイドライン(MRP-227)」に沿って、試験も行うとしている。

(参照資料:フラマトム社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの4月7日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

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