原子力産業新聞

海外NEWS

中国で50基目の商業炉、田湾6号機が送電網に接続

17 May 2021

©CNEA

中国核能行業協会(CNEA)は5月12日、江蘇省の田湾原子力発電所で中国核工業集団公司(CNNC)が建設中の6号機(111.8万kWのPWR)が11日の夜、初めて送電網に接続されたと発表した。同炉は中国で50基目の商業炉となる予定で、これにより同国の原子力発電設備容量は4862.1万kW(グロス)に拡大する。

CNEAによると、同炉の計器類は設計要件をすべて満たしていることを示しており、営業運転の開始に向けて同炉は正式に起動段階に入った。今後は様々な過渡試験や負荷試験を実施し、要件を満たしていればフルパワーの実証運転を実施。年末までに同炉は営業運転に移行すると見られている。

田湾発電所では、100万kW級のロシア型PWR(VVER)を採用したI、II期工事の1~4号機がすでに営業運転中。これに続くIII期工事の5、6号機では、CNNCが仏国のPWR技術をベースに開発した第3世代の100万kW級PWR設計「ACP1000」を採用して、それぞれ2015年12月と2016年9月に本格着工。このうち5号機は2020年9月に営業運転を開始している。

また、Ⅳ期工事の7、8号機では第3世代+(プラス)の120万kW級VVERの採用が決まっており、CNNCはロシアの原子力総合企業ロスアトム社と2018年6月に枠組み協定を締結。2019年3月には、両炉の建設に関する一括請負契約を交わした。同契約に基づいて、ロスアトム社はすでに2019年7月から両炉の長納期品の製造を開始したほか、2020年1月には、これらを2026年と2027年に営業運転入りさせるため、着工時期を早める方針を明らかにしている。

田湾原子力発電所のプロジェクト企業は江蘇核電有限公司で、CNNC傘下の核能電力股分有限公司と中国電力投資公司、および江蘇省国信資産集団管理有限公司がそれぞれ、50%、30%、20%出資している。

(参照資料:中国核能行業協会(CNEA)の発表資料(中国語)、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの5月12日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

cooperation