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カナダ ダーリントンに仏アラベル蒸気タービンを採用

01 Aug 2025

桜井久子

BWRX-300の発電所完成予想図 © GVH

仏アラベル・ソリューションズ社は721日、カナダのオンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社のダーリントン新・原子力発電所(DNNP)向けGEベルノバ日立ニュークリアエナジー(GVH)社製の小型モジュール炉(SMR)「BWRX-300」に、タービンホールの主要機器を供給することを明らかにした

アラベル・ソリューションズ社のC. コルナンドCEOは、「当社は、SMR向けに蒸気タービン発電モジュールを最適化しており、あらゆる炉型に対して提供が可能である」と語った。DNNPには蒸気タービン、TOPAIR発電機(空冷式)、および関連する熱交換器を供給する。

同社の新設プロジェクト責任者であるS. クフィニャル氏は、「蒸気タービン発電機は、BWRX-30030kWe)の蒸気条件に合わせて特別に設計されている。タービンアイランドの蒸気および水循環系統を最適化し、発電所全体の効率を高め、電気出力を最大化する設計としている」と補足した。

このタービンホールのサプライチェーンには、カナダ企業も含まれており、たとえば、オンタリオ州に本社を置くChemetics社は熱交換器用の部品を製造する。

DNNPのSMRに採用するフルスピードの蒸気タービン発電機シャフトラインは全長34メートル。単流型高圧モジュール1基と、複流型低圧モジュール2基を組合わせ、熱サイクル効率を高め、カナダの60Hzの電力網向けに定格370 MVA(メガボルトアンペア)まで対応したTOPAIR発電機と接続される。

アラベル・ソリューションズ社は、原子力タービンアイランド技術とサービス部門における世界有数の供給者。フランス電力(EDF)グループの完全子会社で、その事業は以前はGEベルノバ社の一部であった。

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