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米ニューヨーク州 原子力発電所の新規建設が準備フェーズに

11 Jun 2026

桜井久子

© ny.gov

米ニューヨーク州のK. ホークル知事は61日、同州北部で少なくとも100kWe規模の先進原子力発電開発計画の具体化に向け、州営ニューヨーク電力公社(NYPA)が二つの公募を開始したと発表した。一つは原子力発電所の開発・建設・運営に実績を持つ原子力発電開発事業者を対象とした資格審査(RFQ)であり、もう一つは州内の教育機関や労働組合などを対象とした原子力人材育成を目的とした助成事業への公募(RFA)である。

今回の取組みは、州内での新規原子力発電の開発規模を500kWeに拡大することをめざし、ホークル知事が2026年施政方針演説で掲げたイニシアチブ「原子力信頼性基盤」(Nuclear Reliability Backbone)の一環。現在、ニューヨーク州で稼働する約340kWeの原子力発電設備容量と併せて将来的に合計約840kWe規模を確保することで、電力系統の安定化や電気料金の抑制、クリーンエネルギーへの移行を実現したい考え。同州では現在、米大手電力会社コンステレーション社が3サイトで計4基の原子炉を運転している。

NYPAは、2025年10月に先進原子力プロジェクトの開発事業者と潜在的なホストコミュニティを対象とした情報提供要請(RFI)を実施しており、今年1月、開発事業者候補から23件、同州北部のコミュニティから8件の回答を得たことを明らかにしている

開発事業者向けのRFQでは第3世代+(プラス)または第4世代の大型炉または小型モジュール炉(SMR)、あるいはその組合わせによって100kWe以上の発電能力を実現できる事業者を対象としており、2033年までに建設開始できる実現可能性を重視。SMRについては、初号機(FOAK)段階は原則除外で、マイクロ炉も対象外としている。その他、技術成熟度、立地・許認可戦略、建設スケジュール、コスト見積もり、所有形態や提携モデルなどについて具体的な計画が求められている。RFQは将来的な提案依頼(RFP)に向けた事前選定の位置づけで、応募締切は626日。

一方、人材育成向けRFAでは、今後4年間で最大4,000万ドルの資金を投入し、原子力産業を支える人材基盤の強化を図る。州内の技術系高校、コミュニティカレッジ、大学、業界団体、労働組合、地域団体などを対象に、訓練プログラム、実習、インターンシップ、就職支援など、人材育成を促進する事業への支援を行う。この取組みは、「ニューヨーク州の次世代原子力(NextGen Nuclear New York)」プログラムの一環として、将来の原子力産業を支える人材を州内で育成することを目指している。応募締切は731日。

NYPAは202512月にカナダ・オンタリオ州のオンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)との協力を発表しており、技術革新や資金調達、人材育成などの分野で連携を進めている。今回の公募はこうした取組みを補完するものであり、ニューヨーク州における次世代原子力発電の推進に必要な専門知識と準備を強化するものと位置づけている。

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