原子力産業新聞

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エストニア 原子力導入に向けた包括法整備

23 Jun 2026

桜井久子

リーギコグ © Riigikogu

エストニア議会(リーギコグ、一院制)は617日、原子力エネルギーの平和利用に向けた包括的な法制度となる「原子力エネルギー・安全法」を可決した。原子力発電所の立地選定から建設、試運転、運転、廃止措置、さらには放射性廃棄物の最終処分まで、原子力施設のライフサイクル全体を対象とした法的枠組みを定めている。

同法に基づき、独立した国家原子力規制機関が消費者保護・技術監督局の下に設置され、202711日から業務を開始する予定。原子力発電所の建設にあたり、事前評価、建設許可、試運転許可、運転許可、廃止措置許可から成る段階的な許認可制度が導入される。

同法では、原子力発電所の所有者および運転者が施設の安全性とライフサイクル終了時に発生する費用について全面的な責任を負うことが明記され、運転期間中に廃炉や廃棄物処分の費用を積立てる国家廃炉基金の設置も定められた。加えて、核セキュリティ、核物質防護、緊急時対応、国際的な管理措置の実施に関する基本原則も盛り込まれている。

法案審議では、原子力発電所の建設には規制当局や政府だけでなく、議会承認も義務付ける修正が加えられ、その修正法案は賛成63、反対10、棄権1で可決された。なお、同法はエストニア国内で直ちに原子力発電所の建設を認めるものではなく、将来的な建設の可否については、個別案件ごとに関係機関や政府、議会による審査・承認を経る必要がある。2024年6月には、リーギコグで原子力導入支援に関する決議が採択されている。

エストニアの新興エネルギー企業フェルミ・エネルギア社は2025年1月、経済通信省に対し、原子力発電所のサイト選定プロセスと環境評価の開始を申請。政府はバルト海に面する西ヴィル郡ヴィル・ニグラ自治体、ならびに東ヴィル郡リュガヌセ自治体の2か所でサイト選定プロセスを開始しており、2029年までに候補地を確定する見込みだ。

同社はGEベルノバ日立ニュークリアエナジー(GVH)社製SMRのBWRX-300×2基を導入し、合計出力60万kWeの原子力発電所を建設する計画。2029年に建設許可を申請し、2031年の建設開始、早ければ2035年までの初号機の運転開始を目指している。

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