中国 北山地下研究所プロジェクトで地下の主体構造が完成
09 Jan 2026
中国甘粛省の酒泉市の北山(Beishan)地区における高レベル放射性廃棄物(HLW)処分研究施設「北山地下研究所」の建設プロジェクトにおいて、12月26日、螺旋状スロープの工事が完了。「スロープ+3本のシャフト+2層の試験用トンネル」からなる地下の主体構造が完成した。
北山地下研究所建設プロジェクトは2016年3月、中国の「国家経済社会開発第13次5か年長期計画」における100の主要プロジェクトの一つに指定された。HLWの処分問題解決を目的とし、包括的な機能を有する世界最大規模の研究開発のプラットフォームとして、同国北西部のゴビ砂漠地帯で計画が進められている。
同建設プロジェクトは2019年5月に国家原子能機構(CAEA)による認可を経て、中国核工業集団(CNNC)傘下にある北京地質研究院が設計・建設を担当して進められている。2021年6月に起工式が開催。中国が自主開発した極硬岩掘削機「北山1号」にて2023年1月に正式に掘削を開始した。周囲の岩石損傷を最小限に抑えながら、断面直径7mのスロープ約7,000mを掘削、最大掘削距離21.6m/日、342m/月を達成した。
北京地質研究院が2020年6月に作成した同建設プロジェクトの環境影響(評価)報告書によると、同施設は螺旋状のスロープと3本のシャフト(1本は人員用、2本は換気用)、地下280mと560mに設置のトンネルで試験を行う構造。受入れ可能な廃棄物容量は51万4,250㎥。2027年の建設完了を予定し、施設としての耐用年数は50年、総工費は27億2,313万元(約613億円)と見込む。
なお、建設工事と科学研究試験の同時展開が北山地下研究所の特徴であり、CAEAの支援の下、建設中に9つの科学的研究プロジェクトが同時に実施され、サイト特性の精緻な評価、ならびに深部岩盤掘削および現地試験にむけた主要な技術の研究開発が実施されている。
CAEAは、HLWを長期的に管理する科学研究モデルの開発に取り組んでいるが、地下研究所の研究開発等に基づいてHLWを地層処分する革新的なシステムの確立を目指し、国内外の研究者と交流を進めている。
こうした中、国際原子力機関(IAEA)は2021年10月、北京地質研究院を「IAEA高レベル放射性廃棄物地質処理協力センター」に指定。中国はIAEAとの交流・協力を継続し、HLW地質処分場の選定・評価、地下試験室の設計・建設、緩衝材の研究開発を行い、科学研究の骨幹や専門家を育成していく方針である。中国は、北山施設での研究・試験(~2040年)を経て、地層処分施設の建設を2041~2050年に計画している。





