韓国 セウル3号機の運転認可を発給
14 Jan 2026
韓国の原子力安全委員会(NSSC)は12月30日、韓国水力・原子力(KHNP)が蔚山広域市に建設中のセウル原子力発電所3号機(旧: 新古里5号機)(PWR=APR1400、140万kWe)の運転認可を発給した。同機は今年8月にも営業運転を開始する予定。セウル3号機の稼働により、国内総発電電力量の約1.7%、蔚山地域の電力需要の約37%を供給する。本認可発給を受けKHNPのD. チョン暫定CEOは、「安全性と品質を最優先に、セウル3号機による安定かつクリーンな電力供給に最善を尽くす」と述べた。
セウル3号機は、現在運転中のセウル1-2号機(旧: 新古里3-4号機)、新ハヌル1-2号機(旧: 新蔚珍1-2号機)と基本設計を同じくする、韓国が独自開発した最新鋭の第3世代炉APR1400で、設計寿命は60年。KHNPは、2016年6月にNSSCから建設許可を受け、2020年8月に運転認可を申請した。韓国原子力安全技術院(KINS)は、APR1400同一炉型の先行機の安全性審査経験を基に、先行発電所との設計差異や運転能力、施設性能、運転時および仮定される事故時の放射線影響などの観点から、原子力安全法に基づく許可基準を満たしていることを確認。その後、15名の分野別専門家で構成される原子力安全専門委員会でKINSの審査結果について検討を行い、審査結果が妥当であると判断した。なおセウル4号機(旧: 新古里6号機)は2018年9月に着工し、2026年後半の完成を目指している。
セウル3-4号機は、航空機衝突や最新技術基準を考慮した設計を反映して耐震性能を向上させるなど、安全性を大幅に強化。原子力事故管理の強化基準を満たすためにより多くの時間が必要となり、プロジェクト期間は延長された。新ハヌル1-2号機との主な設計の違いとしては、▽国内初の航空機衝突防護設計を適用し、壁厚を増強: 原子炉格納建屋+15cm、補助建屋+30cm、使用済み燃料プール+60cm▽地震などによる電源喪失に備え、代替交流ディーゼル発電機を増設: 2基につき1台→1基につき1台▽使用済み燃料プールの貯蔵容量の拡大: 20年分→60年分、がある。
韓国では2025年末時点で26基の原子炉が稼働中であり、総発電設備容量は約2,600万kWe。2024年の実績では、原子力シェアは30.7%と、エネルギー供給において基幹電源としての役割を担っている。韓国の原子力政策は、①既存プラントの稼働率の最大化、②新規建設プロジェクト、特に新ハヌル3-4号機(旧: 新蔚珍3-4号機、各APR1400)プロジェクトの予定通りの完遂、③原子力輸出市場における優位性の確保、の三つの柱に基づく。特に、原子力輸出市場については、2030年までに10件の海外プロジェクト獲得という野心的な目標を掲げている。
新ハヌル3-4号機は2024年に建設許可を取得、サイト造成工事を開始し、3号機は2025年5月に着工した。営業運転開始はそれぞれ2032年と2033年を目標としている。新ハヌル3-4号機をめぐっては、KHNPが2016年1月、NSSCに両機の建設許可申請を行ったが、当時のムン・ジェイン(文在寅)大統領による脱原子力政策下で、2017年の「エネルギー転換(脱原子力)ロードマップ」と「第8次電力需給基本計画」に基づき、建設計画が一時白紙化されていた。その後、ユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領の政権下で両機の新設計画が復活した。
また、既存プラントの長期的活用に向けた古里(コリ)2号機(PWR、65万kWe)の運転期間延長が、2025年11月にNSSCにより認可された。古里3-4号機についても、運転期間延長に向けた審査手続きが進行中である。





