原子力産業新聞

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韓国 ASEAN地域で原子力協力を推進

03 Apr 2026

桜井久子

シンガポールEMAとMOUを締結 © KHNP

韓国水力・原子力(KHNP)は、3月上旬にシンガポール、フィリピン、タイの各国と小型モジュール炉(SMR)を含む、原子力協力の推進に関する協力覚書(MOU)の締結や技術セミナーを開催。ASEAN地域におけるビジネス機会の拡大をめざし、エネルギー移行に貢献する協力枠組みの構築を進めている。

■シンガポール

KHNPは3月1日、シンガポールで、SMR分野における技術交流と協力を促進するため、シンガポールのエネルギー市場監督庁(EMA)と協力覚書(MOU)を締結した。両国は、シンガポール国内でのSMR適用可能性の共同調査、人材育成、先進原子力技術の情報やベストプラクティスの共有において協力を進める方針だ。

EMAのコック・キョン・プアCEOは、「国内エネルギー資源が非常に限られている小国にとって、低炭素移行プロセスにおいて、エネルギー安全保障とレジリエンス強化のあらゆる可能性を探ることが極めて重要」とし、KHNPとの協力により、SMRに関する技術的理解を深め、原子力エネルギーの適合性について慎重かつ厳密に評価できるようになると期待を示した。KHNPのD. チョン暫定CEOは、「EMA がSMRの安全性と実現可能性を評価する中で、当社は責任あるパートナーとして、原子力発電所の運用において蓄積された経験とノウハウが、成果につながるよう全力を尽くす」と語った。

シンガポール政府は原子力導入を決定してはいないが、先進原子力技術、特にSMRに焦点を当て、その安全性、技術の成熟度、商業化の準備状況に基づき、安全性能、技術的実現可能性を評価していく方針を示している。

■フィリピン

KHNPは34日、マニラで、韓国輸出入銀行(KEXIM)およびフィリピン最大の配電会社であるマニラ電力(メラルコ社: Meralco)と、新規原子力発電プロジェクト協力に関する3国間MOUを締結した。署名式には、KHNPD. チョン暫定CEO、韓国輸出入銀行のK. ファン頭取、メラルコ社のM. パンギリナンCEOが出席し、韓国産業通商部のJ. キム長官とフィリピン貿易産業省のM. ロケ長官が同席した。

本覚書は、フィリピンにおける新たな原子力発電所の推進に向けた技術、人材育成、実現可能性分析、資金調達の面において、戦略的協力の枠組みを確立することが目的。具体的には、原子力導入について共同で議論し、教育と訓練を通じた人材育成の強化、原子力発電所の初期開発段階におけるサイト選定やPAの向上、プロジェクトの実現可能な資金調達案の模索などで緊密に連携することとしている。

■タイ                                                                            

KHNPは35日~6日、バンコクで、国営タイ電力公社(EGAT)と「KHNP-EGAT SMR 技術セミナー」を共催した。20256月に締結されたSMR協力に関する覚書MOU)の下、両組織間の実務的な技術協力の具現化のために開催された。同セミナーには、KHNP、タイのエネルギー省、規制当局、産学界の関係者を含む、約80名の専門家が参加。両国のエネルギー政策を共有するとともに、革新的なSMR(i-SMR)の開発状況、サプライチェーンなど様々なテーマについて発表し、タイにおけるSMR導入の条件や今後の協力の方向性について幅広く意見交換を行った。

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