チェコと韓国 ドコバニ増設で閣僚級共同委員会を設立
10 Mar 2026
チェコと韓国は、チェコのドコバニ原子力発電所の増設プロジェクトの調整を行う閣僚級の共同運営委員会の設立で合意し、2月16日にチェコの首都プラハで初会合を開催した。同会合では、同プロジェクトのサプライチェーンにチェコ企業が参加する契約も締結された。
チェコは既存のドコバニ発電所(ロシア製PWR=VVER-440×4基、各51万kWe)の隣に2基を増設する計画だ。2024年7月、韓国水力・原子力(KHNP)はドコバニとテメリン両原子力発電所における最大4基の増設プロジェクトの主契約者をめぐる優先交渉権を獲得し、2025年6月、プロジェクト会社のドコバニⅡ原子力発電会社(EDU II、政府が80%、チェコ電力ČEZが20%所有)とドコバニ発電所5・6号機向けにAPR1000×2基の増設契約を締結した。総事業費は1基あたり推定約2,000億コルナ(約1.5兆円)を想定。2027年には建設許可を取得し、2029年に建設を開始、2036年に5号機の稼働開始を見込んでいる。
チェコのK. ハヴリーチェック産業貿易相兼第一副首相は、増設はチェコの家庭や企業が廉価で安定したエネルギーを確保するために不可欠とし、「ドコバニ増設プロジェクトは、前政権のもとで推進され、当時の工程表は今も維持されている。今後も予算とスケジュールを厳格に守る。チェコ企業の参画も重要。そのため、金大臣とともに閣僚級の運営委員会を設立し、プロジェクトの進行、財務計画、チェコ企業の建設参加進捗を継続的に監督していく」と述べた。
韓国の金正官・産業通商部長官は、「本プロジェクトは単なるインフラプロジェクトではなく、今後数十年にわたり両政府と企業間の強い連帯と協力の象徴であり、アラブ首長国連邦(UAE)のバラカ原子力発電所建設プロジェクトに続き、韓国の原子力発電所建設の競争力を世界に再び証明する機会となる」と述べ、テメリン発電所の増設でも協力することへの期待を示した。
本運営委員会は、両産業省間で設立されたサプライチェーン・エネルギー対話(SCED)の枠組みの下で活動を開始。両国の産業大臣に加え、主契約者である韓国水力・原子力(KHNP)とプロジェクト会社であるドコバニⅡ原子力発電会社(EDU II)の代表が参加する。EDUⅡのP. ザボドスキーCEOは、「チェコ企業の参加は、数十年にわたる運転や保守の観点からも重要。停止期間や近代化への柔軟性、問題発生時の迅速な対応、自立した高い能力維持につながる」と指摘した。
チェコは、プロジェクトへの自国企業の関与を建設完了までに60%達成を目標にしている。KHNPによると、現時点でチェコの約160企業がドコバニ5・6号機向けのサプライヤーとして登録手続きを行っているという。
なお、今回締結された主な契約は以下のとおり。
- KHNP-ÚJV Řež : ÚJV Řež(原子力研究・技術企業)傘下のEnergoprojekt Prahaが許認可・ライセンス手続きを支援
- 韓・斗山エナビリティ-斗山シュコダ・パワー(チェコ・プルゼニ): 蒸気タービンおよびタービン制御システムを供給(3,200億ウォン、約352億円規模)
斗山エナビリティー社は、斗山シュコダ・パワー社との初の共同原子力新建設プロジェクトとして重要な節目であるとし、シュコダ・パワー社の豊富な製造経験と、韓国の原子力部品関連の専門知識を組み合わせた相乗効果をめざしている。150年以上の歴史を持つシュコダ・パワー社は、チェコ、スロバキア、フィンランドの3か国の原子力発電所向けに合計26基の蒸気タービンの供給実績を有しており、2009年に斗山グループが買収した。
今回の初会合では、第三国市場での共同事業の可能性やテメリン発電所における増設、原子力分野の研究開発協力などについても協議したという。





