原子力産業新聞

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米ウラン転換施設 生産拡大へ

03 Mar 2026

桜井久子

© Solstice Advanced Materials/ LinkedIn

米ソルスティス(Solstice Advanced Materials)社は210日、イリノイ州に立地するメトロポリス・ワークス(MTW)プラントにおいて、2026年に六フッ化ウラン(UF₆)の生産量を10,000トン(10kt)へ拡大することを発表した。これは、2024年に計画していた生産能力から約20%の増加となる。

ソルスティス社は先端材料の専門企業。202510月、米国の多国籍企業であるハネウェル社からスピンオフし、MTWの所有・操業ライセンスを引き継いだ。MTW60年以上の操業実績がある米国で唯一のUF₆転換施設であり、世界各地の鉱山から供給されるウラン精鉱をUF₆へ転換している。転換後のUF₆は、他事業者による濃縮や燃料加工により、原子炉用燃料として利用。米原子力規制委員会から2060年まで有効な操業許可を取得済みである。

同社は、UF₆に対する高い需要を受け、2023年の操業再開以降、MTWでのボトルネック解消プロジェクトに投資。今回の生産規模の拡張は、20億ドル超の受注残高に支えられており、その多くは国内の電力会社など長期顧客からの注文だという。米国が掲げる「2050年までに原子力発電能力を4倍にする」という目標が後押ししていると見ている。MTW2017年~2023年にかけて、市場環境の悪化により一時的に操業を停止していたが、20237月に操業を再開した。

米エネルギー省の支援も一部受けながら、ソルスティス社はMTWにおける生産能力増強に向けた新規プロジェクトを検討中。並行して、大手エンジニアリング・調達・建設(EPC)企業を起用し、能力拡張に向けた初期エンジニアリング分析を実施しており、顧客と長期供給に関する協議も開始した。

ソルスティス社とゼネラル・アトミックス社の折半出資の合弁会社であるコンバーダイン(ConverDyn)社が、MTWで生産されるすべてのUF₆の独占的販売代理を務めている。

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